志摩ちゃんの助手席 ページ9
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流れる景色さえも、今日どこかどんよりとして見えるのは、沈んだ気持ちのせい。
「…ふっ、分かりやすいな」
「…まだ何も言ってない」
「隊長は隊長だ、心配するな」
「だから何も言ってないってば」
「はいはい」
一未には、何も言わなくても全てバレてる。
仕事で落ち込んだことも、
一未の言う、“隊長“に少し妬いてしまったことも。
「あんまり頑張りすぎるな」
「…」
「お前は十分やってる」
「…そのつもり、なんだけど…言われちゃったらやっぱりまだまだなのかなって、」
「警察官なんて激務、よくやるな」
「…それは一未もでしょ？なんなら一未の方が」
「それぞれ適所があるだろ。Aは優しいから人と濃く関わりのある今の環境が合ってる、自分でも思ってるんだろ？」
これまで色々な部署にもお邪魔させてもらってきた。
だけどやっぱり私は、交番にいて、毎日街の人々の日常を見守るのがやりがいだった。
だからずっと私は、交番で警察官として働かせてもらっている。
「他人を思いやることが出来る、親身になれる」
「…」
「Aのそういうとこ、俺はすげえ尊敬してる」
「…」
「同じ、警察官としてな」
「…一未、」
元捜査一課にいた実力があるほど優秀な彼から、そんな言葉を掛けてもらえて嬉しくないわけがない。
「毎日お疲れさん」
「…ありがと、一未」
「元気出たか？」
「ん、おかげさまで」
お互いに恋人として警察官として、
分かり合って尊敬し合って、
そんな関係を築けていることが、心から嬉しい。
「…このまま来るか？」
「え……」
「疲れてんなら無理するな、家まで送ってやる」
「い、行く！」
微かに微笑んだ一未の運転で、車は静かに我が家を通り過ぎる。
一未の家までの道、
助手席で見るその道を流れていく景色はなんだか、先程とはまるで違うものに見えた。
毎日頑張る君に、今日はご褒美を。
たまには、沢山甘やかしてやろうか。
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ツキ - 志摩ちゃんの恋人最高です。志摩ちゃんが熱出して彼女が看病する話書いて欲しいです。 (2020年12月25日 19時) (
レス) id: 63b3a4b8a3 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴアメ - 志摩ホントスキー もう愛してる! (2020年11月15日 0時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴアメ - めっちゃヤバい！！ もう好き！！ 全部のお話が控えめに行って最高です！ これからも更新頑張ってください (2020年11月12日 22時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - 更新ありがとうございます(*´∀｀*)控えめに言って、最高です！次回作 楽しみにしています！ (2020年10月30日 2時) (レス) id: f931135a32 (このIDを非表示/違反報告)
由羽 - どのお話もキュンキュンしました！意地悪な志摩さん好きです(//∇//)これからも楽しみにしてます！ (2020年10月25日 1時) (レス) id: 7535220b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ
| 作成日時：2020年8月9日 19時
