志摩ちゃんの恋人 2

志摩ちゃんの悪夢 -違背- ページ40

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「志摩にはさ、Aちゃんがいないとダメだよ」

「…そうでしょうか、」

「相棒の、…相棒だった俺が言うんだから間違いない」

「え、」

「Aちゃん、志摩のこと、信じて待っててあげて」




俺が言ったその言葉で、彼女の頬に堪えきれなかった涙が伝う。


ごめん志摩、俺も泣かせちゃった。





「…ごめんAちゃん、俺行くとこあるから」

「…伊吹さん！私も、行っちゃだめですか？」

「えっ？」

「…何か、関係あるんですよね？これでも警察です。だからなんとなく分かるんです、嫌な予感が、するというか…」

「じゃあ尚更ダメ」

「…」

「もしAちゃんに何あったら、俺志摩に殺されっからなあ。ごめんね」

「…」

「じゃ俺行かなきゃ、またね！」

「あっ伊吹さん！」





手を振って、いつものニコニコと変わらない笑顔で足速に遠くなってった伊吹さん。



彼の変わらない笑顔を見ても、心のモヤモヤは消えないまま。
騒めく何かがずっと頭を支配している。



一未には関係ないと、
伊吹さんには待っててほしいと、

そんなに、そんなに危ないことを2人はしようとしているんだろうか。




女だろうが私だって警察官として短くない月日を過ごしてきた。
ここで「分かりました」と引き下がれるほど、私は利口じゃない。






『お前には関係ない』





…っ、

それでも待ってるだけなんて、私には出来ないよ。





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