志摩ちゃんの恋人 2

志摩ちゃんの悪夢 -再会- ページ39

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“信じなきゃよかった”



……あーそうかよ。

それ以上聞くのは、やめた。





「伊吹さん！」

「…Aちゃん、！？」



得た情報を辿ろうと警察庁を出て少し歩いたところで、聞き覚えのある声に名前を呼ばれて足が止まる。


仕事の時は制服の彼女が、今日は私服。
ということは休み？わざわざ休日に警視庁に用事だろうか、脳内を勝手な憶測が飛び交う。



「え、なんでここに？なんか用、」

「一未は、」



相棒の名前を発した彼女の声は、微かに震えていた。



「…志摩？」

「一未は、大丈夫ですか？」



…なあ志摩、




100歩譲って、俺はいい。

いや、許せねえけど、今めちゃくちゃ腹立ってるけど。



でもさ、Aちゃんはダメだろ？

自分の一番大事な子、泣かせんじゃねえよ。




「関係ない、って」

「…」

「私には関係ないって言われちゃいました」





声を震わせながら無理して笑顔をつくる彼女を前に、志摩への怒りが募る。




「一未、危ないことしてないですよね？」

「…Aちゃん」

「伊吹さん、私じゃ頼りないですかね」




泣きそうなのを堪えて笑う、そんな彼女の笑顔は初めて見た。
いつも彼女に会う時は隣に志摩がいて、志摩ちゃんすげえ愛されてんなあって、彼女の笑顔を見て思っていたから。



「……ない、」

「え？」

「そんなことない、絶対ない。志摩は」





志摩は、

誰よりも何よりも君が大事で、





志摩には…







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