ハロウィンと志摩ちゃん ページ30
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何も出来ずに、何も言えずに、口をパクパクとさせるだけの私。
目を逸らそうにも、獲物を捉えるようなその目に見据えられてしまえば、逸らすことすら出来なくなってしまう。
「かっ、ずみ…」
「……ふっ」
「…へ、」
「なーんてな」
腰に回されていた手の片方が、私の頭を優しく撫でる。
「からかって悪かった」
意地悪な目が、いつもの、私を見る優しい目に変わった。
「…ん、もう、からかわないでよ、っ」
「相変わらずいい反応するなあ」
「私で遊ばないで、！」
「ハハ、悪い悪い」
「でも先に言って来たのAだろ」なんて言われてしまえば、何も言えなくなってしまった。
そうだ、そもそも仕掛けたの、私だった。
「終わり？」
「っもう終わり、！悪戯しないからそろそろ離し」
「じゃあ」
「…ん、？」
「Trick yet Treat」
………えっ？
まさか、一未から言われるなんて思ってもみなかった。
「えっ、や…まさか一未から言われるなんて思ってなくてお菓子準備してない……」
「違う、んなもんいらねえよ」
「…え？」
一度緩んだ腰をぐっと引かれて、唇に熱がぶつかった。
「…っん、」
全身が、痺れていく。
それはまるで、悪魔の甘い甘い毒に侵されていくような、そんな感覚だった。
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Aはきっと、気付いてない。
俺が言った言葉の違いに、言葉の意味に。
それでいい、気づかなくていい。
Trick “ yet ” Treat ……
『お菓子はいいから悪戯させろ。』
ハロウィンなんて行事に引っ掛けて、
年下の君にがっつく俺になんて
気づかなくていい。
口付けたものは、お菓子なんかより甘くてクセになる。
…こんなハロウィンなら、悪くないかもな。
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ツキ - 志摩ちゃんの恋人最高です。志摩ちゃんが熱出して彼女が看病する話書いて欲しいです。 (2020年12月25日 19時) (
レス) id: 63b3a4b8a3 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴアメ - 志摩ホントスキー もう愛してる! (2020年11月15日 0時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴアメ - めっちゃヤバい！！ もう好き！！ 全部のお話が控えめに行って最高です！ これからも更新頑張ってください (2020年11月12日 22時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - 更新ありがとうございます(*´∀｀*)控えめに言って、最高です！次回作 楽しみにしています！ (2020年10月30日 2時) (レス) id: f931135a32 (このIDを非表示/違反報告)
由羽 - どのお話もキュンキュンしました！意地悪な志摩さん好きです(//∇//)これからも楽しみにしてます！ (2020年10月25日 1時) (レス) id: 7535220b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ
| 作成日時：2020年8月9日 19時
