志摩ちゃんと存在証明 ページ43
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夜風が気持ちいい。
一未との電話を終えてから、携帯電話は電源を切ってリビングに置いてきた。
深呼吸をすれば、都会の空気が肺に流れ込む。
この空気に溶けてしまうことが出来たら、どれだけ楽だろうか。
そっと下に目を向ければ思わず足が怖気付いて、
手すりを掴んだまましゃがみ込んだ。
「………っ、何してんだろ私」
人を救うはずの警察官が、自分の身ひとつ守れない。
「かっこ悪いなあ…」
手すりを掴む手に力が入る。
この手すりを乗り越える度胸も無くて、
警察官だというのに、名も知らぬ男に怯えて踏み出す勇気も無い、
涙がひとつ、頬を伝う。
「……かずみ…っ、たすけて、…」
無意識に、彼の名前を呟いていた。
一未に言えなかった言葉、
……言いたかった言葉
その時、玄関の方から物音がした
バタバタと、慌てた様子で徐々にこちらに向かってくる。
誰だろう、と立ち上がる。
誰だか分からないのになぜか、怖くはなかった。
大きな音を立てて、ドアが開く。
「……えっ、なんで…」
目を見開いて私を見つめる一未。
瞬間、一未は私の方に駆け寄った。
「…っな、っにしてんだ！！」
ぐっと強く腕を引かれて、反射で室内に足を入れる。
私の肩を掴む一未の手には力が入っていて、痛い。
そして、震えていた。
「何しようとしてた……」
「……一未、なんでここに」
「答えろ！！」
こんなにも一未に感情を曝け出されたのは初めてだ。
一未は怒っていた。
だけど、
目の奥はまるで泣いてるみたいで…
「……っごめん、一未…ごめん、」
そんな一未を見て、自分のしようとしていた事を猛烈に悔やむ。
泣きそうな目をした一未より先に、涙が溢れてしまう。
肩を掴んでいた手が背中と頭に回る。
抱きしめられた身体は素直に一未の腕に収まった。
「…怒鳴って悪い…、何があった」
ぐっと、何かを堪えたように話す一未に、もう隠せないと思った私は、
途中歯切れが悪くなりながらも、全てを打ち明けた。
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One - 彼氏の前で他の男の話題するのはNGなきがしました (2020年9月3日 21時) (
レス) id: 79cda32f43 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 毎回キュンキュンしながら拝見しております！更新ありがとうございます！早く読みたい！続きが読みたい！と言う気持ちになります！！主人公が事件に巻き込まれて志摩さんが助けるお話が読みたいです！志摩さんサイドの主人公への想いも一緒に書いて頂けたら嬉しいです！ (2020年8月8日 2時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなな - 文章力と志摩さんな源さんが滲みでてて、コメントせずにはいられない感情になります！！！幸せをありがとうございます！キュルンッしてよんでます。これからもたのしみにしています！！！！ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 67148dc792 (このIDを非表示/違反報告)
おやぎ。(プロフ) - 志摩ああああん！！最高です！好きです！星が足りないです！！！1話1話読み終える毎につい評価押してしまい…何度無効の字を見たことでしょう…これからも楽しみにしてます！ (2020年8月7日 20時) (レス) id: f226b1ad14 (このIDを非表示/違反報告)
りり - 最高です！更新してくださってありがとうございます！ (2020年8月7日 13時) (レス) id: b6a858b6bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ
| 作成日時：2020年7月7日 10時
