彼女と喧嘩した ページ28
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(彼女が出て行った時の志摩サイド)
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重たく閉まった玄関の音。
まるでそのドアのように重たい、深いため息が漏れる。
「…何やってんだ俺」
壁をコツンと拳で小さく叩いても、消えない虚無感。
いい歳して、年下の恋人に八つ当たり。
イライラの発散をあんな形で向けていい相手じゃない。
分かってんのに、冷静な判断をするのに鈍くなった頭と一度開いた口は収まるのを知らずに、
一番大切にしなくちゃいけない人を、傷つけた。
この俺が、自分で。
散々伊吹にバカだと言っといて
一番のバカは誰だ。
「俺、だな」
出るのは自嘲的な笑み。
情けない。
彼女に泣かれると弱い。
なんで、最後の最後に泣くんだ。
あ、泣かせたの俺か。
“「…だったらそいつと付き合えばいい」“
…思ってるはずがない
“「そいつなら、お前のこと幸せにしてくれるんじゃないか」“
それはそうなのかも、しれないな…
たまに、伊吹が羨ましい。
自分の信じたものに全力で真っ直ぐで、
痛いくらいに相手を想えるその素直さが。
あいつを失うのを一番恐れているのは他でもない自分自身なのに。
Aにまでどっか行かれたら、俺どうなっちゃうんだろうな。
他人事のように考える自分にすら呆れてくる。
“「私の幸せ勝手に決めないでよ！」“
「幸せ、か…」
俺は、君を幸せにしてやれてる？
頭に映るのは知らない男の隣で笑う君。
「…っ」
手元にあった紙を、思わず強く握っていた。
くしゃくしゃになった紙をゴミへ捨てる。
この真っ黒な感情も、簡単に捨てられたらいいのにな。
ふと耳についた外からの音。
「…雨、」
気づけば外はすっかり夜で、雨は徐々に激しさを増す。
“「…もういいっ」”
雨の音が、君の涙を思わせる。
「A…」
気づけば俺は、傘を手に外へ走り出していた。
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One - 彼氏の前で他の男の話題するのはNGなきがしました (2020年9月3日 21時) (
レス) id: 79cda32f43 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ - 毎回キュンキュンしながら拝見しております！更新ありがとうございます！早く読みたい！続きが読みたい！と言う気持ちになります！！主人公が事件に巻き込まれて志摩さんが助けるお話が読みたいです！志摩さんサイドの主人公への想いも一緒に書いて頂けたら嬉しいです！ (2020年8月8日 2時) (レス) id: ba306ee394 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなな - 文章力と志摩さんな源さんが滲みでてて、コメントせずにはいられない感情になります！！！幸せをありがとうございます！キュルンッしてよんでます。これからもたのしみにしています！！！！ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 67148dc792 (このIDを非表示/違反報告)
おやぎ。(プロフ) - 志摩ああああん！！最高です！好きです！星が足りないです！！！1話1話読み終える毎につい評価押してしまい…何度無効の字を見たことでしょう…これからも楽しみにしてます！ (2020年8月7日 20時) (レス) id: f226b1ad14 (このIDを非表示/違反報告)
りり - 最高です！更新してくださってありがとうございます！ (2020年8月7日 13時) (レス) id: b6a858b6bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ
| 作成日時：2020年7月7日 10時
