34歩目 ページ37
蒼からモモは危険な人だからあまり話さないでね、と言われた。モモが危険。確かにたまにモモはモモじゃない時がある。だが、危険と思ったことは1度もない。Aは蒼よりモモのことを知っている。モモは幼馴染みだからだ。
だがまあ、蒼がそんなことを言うのだからモモと何かあるのは間違いないのだろうと踏んだAはあまりモモと会話をしないようにすることにした。
「今日は帰りにショッピングに行きましょう。私に似合う可愛い服を選んでちょうだい」
「うん、分かった」
今日も蒼は麗のためにこのクラスにきている。Aと目を合わせない。理由は分かっていても、何故だか心が痛い。
「目が追ってますよ〜A。王子様もそんなに見つめられたら困るって」
「あ、モモ……」
Aと蒼の間に立ったモモは楽しいのかいつもよりニコニコと笑っている。
「何で今日私とあんま話さないのか知ってるよ。王子様に言われたんでしょ?いや〜やっぱり王子様も勘が鋭いねぇ」
そこまで分かってしまうのか。自宅に盗聴器が仕掛けられているか調べなければと考えてしまう程、モモの勘は鋭い。
「分かってるなら話しかけるなって……」
「まぁまぁいいじゃない」
だってここは、これから始まる面白いことの特等席なんだから。
モモは蒼の方を見てニヤリと笑った。当然蒼はモモがAに話しかけた時点で2人のことを見ていたためばっちり目が合う。挑発めいたその顔に蒼は思いっきり顔をしかめた。
「わあ、こわぁい。睨まれちゃった。綺麗な顔が台無しだね」
クスクスと笑ってからモモは用事があると教室を出ていった。モモは一体何がしたいのかAには検討もつかない。
「ちょっと、聞いてるの?」
モモのことを注視していた蒼は麗の話を全く聞いていなかった。ごめんね、と謝った蒼に麗は腕を組んで不機嫌になる。
今蒼が見ていた方を見ると、こちらを見ていたのはあの根暗だった。なるほど、王子様は私に従うより根暗の兄に嫌われたいらしい。
―――――――ならば、お望み通り嫌わせてあげようじゃないの。
それも、ただ言いふらすだけじゃなく、あの根暗が徹底的に王子様を嫌うように。
桐島麗はペロリと舌を舐めた。
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埋夜冬(プロフ) - 名無しさん» 読んでいただきありがとうございます!ありますよー!蒼くんの方が高いです!そうですねぇ、大体10センチくらい差があると思っていただければ! (2022年3月19日 7時) (レス) id: 19b82d3da7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 身長差とかってあるんですかね (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - お伺いしたいことがあるんですが (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 古紗雪さん» 待っててくださりありがとうございます!更新頑張りますね!もうガン見しててください(笑) (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 龍晴さん» そろそろ続編にいきますよ!そこで完結です!夢主くんと蒼くんはどうなるのか!?麗は成敗出来るのか!?モモの正体は!?乞うご期待ですよ! (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年12月28日 1時