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エピローグ ページ9

Aside

あれから、何年経っただろう。

政府から逃げ出した僕達は海外に逃走した。どうやったかは分からないけど、リトは国での在住許可をもらい、色んな国に家がある。

髪の毛を染め、眼鏡をかけ、瞳にカラーコンタクトをいれたリトは別人のようだ。偽名はウル。狼という意味だ。

僕は伸びた髪を切らずにいる。出来るだけ声を高く保ち、女性のような格好をして過ごしている。偽名はマキ。苗字である神谷の“神”を変えたアナグラムだ。

近所やリトのいる会社では、僕らは夫婦として過ごしている。僕は華奢な体をしているから、誰も男と思っていないらしい。あながち間違ってはいないけど、何だか不思議な感覚だ。

リ「おはよう」

主「おはようウル。ご飯出来てるよ」

エプロン姿で朝食を盛り付けている僕を見て、リトは笑った。

リ「今は2人きりだから、リトでいいよ」

腰を引き寄せおはようのキスをされる。本当に新婚夫婦みたいだ。顔が熱くなるのを感じながら微笑んだ。

主「うん。リト、おはよう」

お互い蕩けるような笑み浮かべてから朝食にする。リトの支度を手伝い会社へ行く前にもう一度キスをする。

主「行ってらっしゃい」

リ「ん。行ってくる」

ずいぶんこの生活にも慣れてしまった。

あれから、ルイ達は国内外を必死に探しているらしい。リトが何回かハッキングして情報を持って帰ってくるから今どこにいるかは把握済みだ。

ルイ達はリトを殺す気でいるらしいから見つからないように細々と暮らしている。裏切ってしまった罪悪感はずっと心の中に重くのしかかっているけど、後悔してないのは今の生活が幸せだからだろう。

ごめんね。例え見つかっても、もう戻る気はないんだ。でも感謝してるし、大好きだよ。







ねぇ父さん、母さん。僕は悪い子かもしれない。きっと今の僕を見たら怒るよね。自分勝手なのは分かってる。


でも、すごく幸せなんだ。胸苦しいくらい、とても。

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設定タグ:オリジナル , BL , 吸血鬼   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとう!ワクワクしてくれて嬉しいよ!今書いてるBLも見てくれたら嬉しいな! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 完結、おめでとう!最後までワクワクしたよ!! (2019年1月9日 19時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年11月6日 0時

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