【番外編】吸血鬼と同居したら周りも訳アリすぎて心臓が持ちません【オリジナル】

人狼 8 ページ8

ルイside

会えなくなるのは寂しいと思う。俺もAと会えなくなったら悲しいし、苦しい。大神クンのことは嫌いだが、気持ちは分かるから仕方なくAと2人きりにしてやった。

やることがない俺は先程のAの言葉について考える。あの時の『ごめんね』とは一体どういう意味なのか。

【ウー ウー ウー】

ル「何だ！？」

緊急警報！？何でこんな時に！？

ル「A！！大丈夫か！」

大神クンと話している応接室の扉を豪快に開ける。まずはAの安全確保と避難だ。

ル「A！？」

室内には、誰もいなかった。

何で。どうして。何処に。大神クンは？もしかして連れ去られた？じゃあまさかこの警報は＿＿＿＿＿＿＿＿＿

澪「ルイ！Aが大神リトに連れ去られたようだ！！」

携帯を片手に櫻木さんが叫ぶ。やっぱりこの警報は、大神クンがAのことを拐ったことが原因か！

ル「最終目撃情報は！！？」

澪「屋上だ！北へ走っているらしい！！」

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない！！！！！！！

携帯を取りだし三虎と酒呑にメールを送り吸血鬼特有の浮遊を使い窓の外へ出て屋上へあがる。

しかし＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。

ル「櫻木さん、もうこの辺りには見えない！目撃情報の変化は！？」

屋上には何もなかった。人狼は素早い。たとえ一人乗ってたとしても速さは変わらない。

澪『ない。緊急会議を開く！一度戻ってこい。命令だ』

ル「……分かり、ました」

どうしよう。人狼に奪われる。美香さんと裕二さんだけでなく、Aまで。油断した。もう敵意はないと思っていた。くそッ！！これ以上俺から奪うなよ！！！

緊急会議には三虎と酒呑も参加した。逃走方向は北。海外に逃げる可能性有り。よって空港の見張りの強化をする。目撃情報からは狼の姿になり四つ足で駆けていったそうだ。背中にAを乗せて。

酒「何故警戒を怠った？」

会議が終わり解散すると酒呑が怒りを押し殺しているような声で言った。

ル「…………悪い」

酒「ッ＿＿＿＿！何故学習しない！！相手は人狼だろうが！！大切な人を殺した張本人じゃねーのかよ！！」

ヤクザのような怒鳴り声で胸ぐらを掴まれる。その通りだ。だから俺は今、自分を殺したほど憎んでいる。

隼「酒呑童子、そこら辺にしてください。ルイ、もちろん探すでしょう？」

ル「ああ」

向かった北を睨み付け、呟いた。

ル「絶対に見つけて、殺す」

もう奪わせてたまるものか。今度は俺が、お前の大切なものを奪ってやる。

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