人狼 6 ページ6
リトside
何かの罰は下ると思っていた。この政府に生活を管理されるとか、人外殺しを手伝えとか、そういうの。せっかく生かせてもらった命だし、不服とはいえ保護者サン達も俺の存在を否定しなさそうだからそう言った命令は受け入れるつもりだった。
でも流石に、もう二度とAと会えなくなるなんて罰が下るとは思っていなかった。
感情がごちゃ混ぜで何をどうしたらいいのか分からない。上からの命令。つまりは逆らえないということだ。たった一匹の人狼のために自分の首が飛ぶ覚悟で談判しにいく奴なんていないだろう。分かっている。これは、どうしようもない。
泣いて震えているAを抱き締める。こうやって2人きりになって過ごせるのも今日が最後。もう会えない。
そんなの、俺が生きてる意味がない。
主「リト………泣いてる」
翡翠の瞳から涙を溢しているAが俺の目許に触れる。どうやら俺も泣いているらしい。
リ「流石に、会えなくなるってのは…………辛いな」
好きな人と離れる痛みは尋常じゃないな。失恋ってこんなに苦しいのか。俺は立ち直れそうにない。
主「………ねぇ、リト」
少しだけ体を離したAは真剣な声と共に俺を見た。
主「_______僕は、リトを選ぶよ」
その言葉に俺は目を見開いた。何故、
主「離れるなんて、嫌だ」
何故、今、あの時の、告白の返事を。
リ「……………ありがとう。でも、」
続きを紡ぐ前に、Aは少し背伸びをして、
俺の唇にそっと、触れるだけのキスをした。
主「好きなの。リトのことが、大好きなの。やっと気付けた!今更遅いなんて分かってる!でもッ、僕は、リトがいい」
またもや大粒の涙を溢したAは俺の服を握りしめる。
主「ここから逃げよう?2人で、誰も僕達のことを知らないとこへ行こう?リトと2人で、ずっと離れないなら、僕は充分だから!」
お願い…………!!と泣き崩れるA。こんなの告白というよりプロポーズだ。普段の俺なら、キスもプロポーズも喜んだけど、今はもう、遅い。
俺は心から、この神谷Aという人間を愛しく思う。だからこそ、
リ「ごめん。その願いは、聞けないんだ」
どんなに辛くても、苦しくても。人間であるAを俺達のようにしないように、拒むしかない。
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとう!ワクワクしてくれて嬉しいよ!今書いてるBLも見てくれたら嬉しいな! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 完結、おめでとう!最後までワクワクしたよ!! (2019年1月9日 19時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年11月6日 0時