【リク作品】なくしたものを見つけに 3 ページ16
Aside
笑顔で家にあがる両親と小さい頃の僕。部屋の飾りつけ少ししてから座って待ってると、母さんがケーキを持ってきた。
父さんが部屋の電気を暗くする。ケーキに乗ったろうそくが静かに光り、バースデーソングを歌うと誕生日感が増した。
美『ほら、お願い事をして消してね』
主『うん！』
しばらく目を閉じた小さい僕は、よし、と呟いてろうそくの火を消した。
ル「あれ、何お願いしたんだ？」
あの時、僕は何て願ったんだっけ。もう忘れちゃったな。…………いや、忘れたかったんだ。だから、思い出せない。
主「覚えてないよ」
その声は消え入りそうで自分に驚いた。ルイは静かに僕の肩を引き寄せた。
ケーキを食べたあとはプレゼントだ。両親は楽しそうに足を揺らす僕の前に小さな箱を置く。
美『開けてみて』
うなずいた小さな僕は箱を開ける。中には＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ル「あれって………………」
主「………………」
中には、猫のガラス細工が入っていた。間には僕の猫もちゃんと入っているものだ。服の色は翡翠。僕の瞳と同じ色。
主『すごい！！キラキラしてて、きれいだね！！』
祐『そうだろう。仕事先でな、特別に作ってもらったんだ。世界にひとつだけしかないものだぞ』
美『磁石でくっついてる珍しいものなの。取り外して鞄にもつけれるのよ』
二人は幸せそうに説明する。小さな僕は目を輝かせて何度も付けたり外したりを繰り返して遊んだ。
その時だ。電話の音がした。
祐『はい、神谷です。………ええ、はい。………ッ！？ですが……いえ、分かりました。すぐ向かいます』
父さんは母さんの目を見て頷いた。とても厳しい顔だ。
美『………そう』
悲しそうな顔した母さんは小さな僕を見て頭を撫でた。
美『ごめんなさい、A。どうしても抜けられないお仕事が入っちゃったみたい』
祐『すぐに行かなくちゃならないんだ。本当にごめんな。Aは賢い子だから、分かってくれるね？』
ああ、始まる。一番迷惑をかけた原因だ。あのとき、僕は、
主『いやだッ！！！！！』
思いっきりそう叫んだ。
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとう！ワクワクしてくれて嬉しいよ！今書いてるBLも見てくれたら嬉しいな！ (2019年1月10日 0時) (
レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 完結、おめでとう！最後までワクワクしたよ！！ (2019年1月9日 19時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年11月6日 0時
