【リク作品】なくしたものを見つけに 1 ページ14
Aside
冬休み。外と違って家の中は暖房で暖かい。特に何もすることなく、僕はソファーで本を読んでいた。あと数ページで終わってしまう。
最近人気だという恋愛ものの話は恋が叶うと同時に家族間での問題も解決した。恋人とも家族ともうまくいくようになった主人公はすごい。
主「ふぅ………」
なかなかの力作に出会ってしまった。こんなに集中して読んだのは久々だ。ちょうど読み終わった時、ルイがココアを持ってきてくれた。
ル「すげー集中してたな。面白かったか？」
主「うん。ココアありがとう、ルイ」
ほかほかのココアを冷ましながら飲む。流石ルイ、僕の好きな味だ。
付き合ってから半月が過ぎた。ルイのする大体のことには慣れたけど、たまに目が合って微笑まれたりとか、不意打ちのキスとか、そういうのには全く慣れない。ほら、今も。
ル「A」
主「な、んｯ！」
こうやって。しかもリップ音までしっかり出してくる辺り、僕が照れるのを分かってて、しかもそれを楽しんでやっている。イジワルだ。
ル「ははっ、また顔真っ赤。可愛いな」
主「き、急にやるからでしょ！！」
なんて。もうこの言い合いみたいなものも毎日やっている流れだ。なのに慣れない。何故だ。
ル「あ！そーいやさ、ずっと気になってたんだけど、アレ何なんだ？」
ルイの目が棚を見る。目線の先には服を着た猫のガラス細工がある。2匹の猫が頭を寄せ合っているものだ。
主「どうしたの？いきなり」
首をかしげると、いや何かさ………と説明できない様子でガラス細工を見つめた。
ル「変な間があるからさ、本来は何か間に入ってたんじゃないかって」
そう。2匹の猫のガラス細工の間は変に空いている。そしてその間の理由もルイの言った通りだ。
僕は立ち上がりガラス細工の方へ行く。これは9歳のころ両親が買ってきてくれたプレゼントだ。一番迷惑をかけた誕生日。本当は思い出したくもないんだけど、せっかくのプレゼントだから飾ってある。
主「うん。本当はね、小さい猫が間に入ってたんだ。服の色は好きな色で出来てて、特注でつくってもらったらしい」
左の猫は母さんの好きな黄色、右の猫は父さんの好きな薄紫。間には僕の猫が入っているはずだった。
ルイが傍にきた。ガラス細工を見つめる僕の髪を優しく撫でる。
主「………………ごめんね」
そう言った瞬間、
主「わぁ！！？？」
ル「ちょっ……………！！」
ガラス細工が、眩しいくらいに光出した。
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとう！ワクワクしてくれて嬉しいよ！今書いてるBLも見てくれたら嬉しいな！ (2019年1月10日 0時) (
レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 完結、おめでとう！最後までワクワクしたよ！！ (2019年1月9日 19時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年11月6日 0時
