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人狼 1 ページ1

Aside

1週間がとても長く感じる。あれからリトを櫻木さんに預けた。複雑そうな顔をされたが、僕を見るとポンと手を頭に乗せて「出来るだけのことはしよう」と言ってくれた。

三虎先生と涼先輩は3日後に学校に来た。本当は2人の体が包帯だらけで、しかも絶対安静という医者の判断をガン無視して学校に来ているとルイから聞いて、合わせる顔がなくて学校に行きたくない。

ルイともあまり話さなくなってしまった。ルイはリトを憎んでいた。ルイと同じように憎むはずの僕から助けてあげてと言われたら、ルイの憎しみはどこに昇華していくのだろうか。完全にすれ違いだ。

ああ嫌だな。僕の周りから皆消えていく。僕は間違っていただろうか。だから独りになる?

主「ッ…………!!」

胸が痛いよ。こんな思い、したくなかったのに。僕が、リトは人狼?って聞いたからこうなったんだ。

手に落ちる涙が更に伝って服に染みを作っていく。自分が嫌になって拭う手が乱暴だ。

ル「………赤くなっちまうだろ」

そんな手を止めたのはルイだった。代わりに涙を拭う手が優しくて僕はまた泣いてしまった。

ル「少し、話せるか?」

頷くとルイは隣に座った。何かを決めたような表情だ。

ル「いつまでもこんな雰囲気じゃ嫌だし、Aも居づらいだろ。だからちゃんと話そうと思ってさ」

不安そうな表情をしているらしい僕にルイは淡く微笑んだ。

ル「ぶっちゃけ大神クンの件はやっぱり理解できない。でもAにとって大神クンは大切な友人で美香さん達がいない間側にいてくれたんだろ。ある意味家族みたいな存在だから、死んでほしくなかったんだよな」

ルイの言葉に僕はまた涙を溢しながら頷いた。リトはずっと僕の側に居てくれた存在だ。ルイの言う通りかもしれない。

ル「なら俺は何も言わねぇよ。一番憎むはずのAが憎んでないなら、俺もこの気持ちを何とかする」

だからこの空気終わりな!とルイが笑った。ルイだって納得してないのに、相手のことを考えられるルイは凄いと思う。

ル「でAが泣いてた理由は?」

僕はルイに独りが嫌なことを話した。

ル「大丈夫。俺はAを独りにしないよ」

引き寄せられて頭を撫でられ、ありがとうともう一度泣いた。



____リトもいてほしいって思う僕は欲張りなのかな?

人狼 2→



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設定タグ:オリジナル , BL , 吸血鬼   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとう!ワクワクしてくれて嬉しいよ!今書いてるBLも見てくれたら嬉しいな! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 完結、おめでとう!最後までワクワクしたよ!! (2019年1月9日 19時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年11月6日 0時

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