こころ 20 ページ23
一期side
夜「では、2時間後に出陣してもらう。準備はしておいてくれ。解散」
ぞろぞろと部屋から出ていく中、薬研だけは座ったまま拳を握りしめていた。
近付いて肩に触れると私を見た後少し眉を下げた。
薬「………不安に、なっちまってさ。昨日向こうの本丸にいる俺っちがいち兄に言ったことを教えてもらってから、ずっと嫌な気持ちがぐるぐるしてるんだ」
嫌な気持ち？
薬「どうしていち兄を助けなかったのか。どうしていち兄の味方をしなかったのか。いち兄は今こうして俺っちの側にいてくれるけど、何だか、そんな資格なんてないんじゃないかって。俺っちに、本当にいち兄を守りきれるのか、不安なんだ…………」
苦しそうに歪む薬研の顔。薬研が悪いわけじゃないのに。
『薬研は主殿の本丸の話をしたとき、泣いてくれましたよね。それは何故ですか？』
薬「何故…………？そりゃ、大切ないち兄を傷付けたんだって分かったから………」
『皆さんが私を主殿に奪い返されないように一生懸命になっているのを見て嬉しかったんです。あの本丸では感じなかった 大切だという思い。仲間だと言ってくれてとても嬉しかったんです。』
何が言いたいのか分からないという顔をして薬研は私を見つめる。
『私にとって薬研は大切にしたい存在です。資格がないと言って私の側から消えないで。隣にいて下さい。私も主殿の所へ戻りたくないです。ここで 薬研達と一緒にいたい。あの本丸の皆さんを助けたい。協力してくれますか？』
流れた涙を拭って、薬研は頷いた。
薬「協力するぜ、いち兄………！俺っちもいち兄にここにいてほしいから。一緒に、側にいたい………！」
零れる涙を拭っている薬研をそっと撫でる。こんな小さな体で色んなことを考えて背追い込んで。ごめんね、薬研。
薬「絶対、守るから………！」
私の手を額に寄せ、誓いをたてるようにギュッと握った。
ええ。私も薬研を守ります。もうこれ以上、泣かせないように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 515人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海菜#*(プロフ) - 分かりました!、あとコメントも送ったので見て頂くと嬉しいです (2018年7月26日 18時) (
レス) id: e5eccce7ac (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 海菜#*さん» ボードに行ってみました！書き込み届いてるといいんですけど……。覗いてみてください！届いてたらそこで話しましょう！ (2018年7月26日 18時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
海菜#*(プロフ) - ありがとうございます!、じゃあそれでやりましょう(^_^) (2018年7月26日 17時) (レス) id: e5eccce7ac (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 海菜#*さん» あ、ごめんなさい！ボードのことです！！ (2018年7月25日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
海菜#*(プロフ) - えっと・・・・こみゅって何ですか? (2018年7月25日 14時) (レス) id: e5eccce7ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年6月11日 20時
