信じない理由 116 ページ30
「当たり前じゃろ、監督生が良い子なのは伝わっておるからの。子供のうちは迷惑をかけるものじゃ。何も不安がることは無いぞ」
「ありがとうございます」
リリアさんって何歳なんだろ。時々、すごく経験を積んだおじいちゃんみたいなことを言う。こんなにかわいい見た目なのに。
「さて、着いたぞ。シルバー、セベクのところまで送ってやると良い」
「はい」
シルバーさん、眠そうだな。寝不足?やっぱり王子様の警護って大変なんだろうか。いろんなところに気を張っていないといけないだろうし。
リリアさんとわかれて、シルバーさんと一緒に1年の教室へ向かう。警護をしているもう一人は、ボクと同じ1年生らしい。
「昼はセベクがクラスまで迎えに行くと言っていた。ないとは思うが、万が一何かあった際はセベクに頼るといい」
セベクさんってどんな人だろう。合同授業の時に見かけてる人かな。仲良くなれるといいなぁ。
「・・・・・・監督生は大きい声が苦手だと聞いたんだが」
「そう、ですね。怒鳴られたりするの、怖くて」
「セベクは少し声が大きいやつなんだ。悪いやつではないから怖がらないでやってほしい」
「わかりました」
声が大きい人、かぁ。怒鳴られなければ大丈夫だと思う。
そうだよね、イメージだけど警護してる人って発声とかしっかりしている雰囲気がある。返事とか。昔テレビで警察学校の訓練の様子を観たことがあるけれど、あれもすごく大きな声で返事をしていたし。
「ここだ。セベク、待たせた」
「遅い!!!!」
「ひっ」
シルバーさんが扉を開けセベクさんを呼ぶと、眉間にすごく皺を寄せた緑髪の人がキッとボクたちを睨んだ。
「まさかまた途中で寝ていたのかお前は!!今日はリリア様とともに監督生を連れてくる予定だっただろう!!まさか忘れたわけではないだろ、う、な・・・・・・?」
無理です無理無理怖すぎるこんなに大声で怒鳴る人なんて聞いてないぃぃ!!怒ってるよね?ボクのせい?ごめんなさいごめんなさい!!
グリムを抱きしめてシルバーさんの後ろに隠れる。仲良くなれないかもしれない。だって怖いもん。
「何だその後ろにいるのは」
「監督生だ」
「は?」
「子分大丈夫なんだゾ!親分が守ってやるからな!」
視線を感じる。ダメだ顔をあげられない。
うぅ・・・・・・助けてグリム・・・・・・。エース・・・・・・デュース・・・・・・。
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埋夜冬(プロフ) - れおさん» 読んでいただきありがとうございます!まだまだ続きますし書きたいところが書けてないので全寮終わってからが本番です!お楽しみに!! (11月7日 23時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
れお - 監督生と他寮の絡みの勘違いが最高すぎます!更新楽しみにしてます! (10月30日 22時) (レス) @page26 id: bf0a07f8e6 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 三色団子さん» 読んでいただきありがとうございます!はてさてこれからどうなるんでしょうねー!お楽しみに!!コメントありがとうございます! (8月4日 22時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子 - やっとこさ気づいたかパイセン…()面白い!!更新頑張ってください!! (8月4日 3時) (レス) @page21 id: f3a4577dfa (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 善さん» 読んでいただきありがとうございます!やっと!やっと気付いてくれましたね!オルトくんが!!!ここからイデアさん達がどうしていくのか見切り発進な作者も楽しみです!!コメントありがとうございます! (8月1日 23時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜 冬 | 作成日時:2023年1月15日 19時