信じない理由 111 ページ25
「ッ――――――――！！」
監督生氏の腕をガッと掴んで引き寄せる。同時にマジカルペンを向かってくる黒い手へ。詠唱している暇は無い。無詠唱の防壁魔法。
阻まれた黒い手は鏡の方へ戻っていく。まずい、逃げられる！！
「っ、オルト！！」
魔法式のスキャンだけでも出来れば･･････っ！
とぷん、と音がして黒い手は鏡の中へ消えた。一度波打ったかと思うといつも通り部屋を映す鏡に戻っていた。嫌な感じもしない。
「は、はぁ、はぁ･･････！」
なんだ今の。黒い手、確実に監督生氏を狙っていた。人のような手だった。闇のような、嫌な気配。ぐちゃぐちゃとしたイメージを感じて気持ち悪くなる。
「オルト、どう？」
「兄さん、アレ魔法じゃないよ。スキャンできなかった」
「は？」
魔法じゃない？あの黒い手が？"目"の不具合･･････いや、それはないか。メンテナンスしたばかりだ。
「情報は？」
「･･････だめみたい。データにエラーが出てる」
魔法じゃない。だけどオルトのデータにエラーが出る。一体どういうことなんだ。あれが仮に監督生氏の家族が仕掛けてきたとしたら見つかったということだ。取り返しに来ることは確か。監督生氏は1人にできない。
あの黒い手が出た時に寮長クラスの人がいれば今みたいに守れるけど、基本一緒にいるのは授業中。つまり1年生たちだ。多分、守りきれない。
･･････あれ、そういえば監督生氏は？
あたたかさを感じる胸元を見る。拙者の手ががっつり監督生氏の頭をホールドしていた。監督生氏、ピクリともしていない。
･･････。･･････？
もしかして拙者、ずっと監督生氏の丸い後頭部に手置いてた？
「ごごごごごめん！！！！！！」
両手を上にあげ顔を逸らす。すみませんすみませんこんなキモオタが皆のアイドル監督生氏を抱きしめるみたいなことしてましたすみません！！！
「だ、大丈夫･･････？」
「や、あ、あの･･････、抱きしめられた経験ってあんまりなくて･･････、だからいきなりで、すごくビックリして、」
だよね本当にごめんアレ最適解だったんだよ！！
「えっと、何かありました？ごめんなさい、よく見えなくて･･････」
しどろもどろになっている監督生氏の手にグリム氏の肉球がポンと乗る。
「子分のことはオレ様が守ってやるから気にしなくていいんだゾ」
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埋夜冬(プロフ) - れおさん» 読んでいただきありがとうございます！まだまだ続きますし書きたいところが書けてないので全寮終わってからが本番です！お楽しみに！！ (11月7日 23時) (
レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
れお - 監督生と他寮の絡みの勘違いが最高すぎます！更新楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page26 id: bf0a07f8e6 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 三色団子さん» 読んでいただきありがとうございます！はてさてこれからどうなるんでしょうねー！お楽しみに！！コメントありがとうございます！ (8月4日 22時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子 - やっとこさ気づいたかパイセン…()面白い！！更新頑張ってください！！ (8月4日 3時) (レス) @page21 id: f3a4577dfa (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 善さん» 読んでいただきありがとうございます！やっと！やっと気付いてくれましたね！オルトくんが！！！ここからイデアさん達がどうしていくのか見切り発進な作者も楽しみです！！コメントありがとうございます！ (8月1日 23時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2023年1月15日 19時
