信じない理由 9 ページ10
｢済まない仔犬。大丈夫だ、お前に怒っているのではなくあのクソカラスに怒っている。すぐに綺麗にしてもらおう。仔犬がここに住めるよう、ちゃんと手を加えるからな｣
とりあえず、中を見に行こうな。とクルーウェルさんは歩き出した。
外観がボロボロでも中は案外綺麗なのかも、と思ったが中も変わらずボロボロだった。
蜘蛛の巣、ギシギシ鳴る床、ホコリ、元は寮って言っていたから部屋自体は広いが全てが古びている。
こんなの住めるわけが無い。掃除したってどうにもならないものが多すぎる。
｢魔法でどうにかするにしてもここまで酷いと大掛かりなものになる。時間が足りんな······｣
｢オレ様こんなとこ住みたくないんだゾ！｣
心底嫌そうな顔をするグリムに同意する。無理だよこんなとこいたら病気になる。
｢仕方ない。一先ず寝室と風呂場はどうにかしよう。他は出来るだけ早くクソカラスにどうにかしてもらうから、しばらくは寝室か、自分で掃除をするかだな｣
そう言うとクルーウェルさんは何も無いところから地図を出した。
すごい！魔法だ！！
｢ここに書いてあるのがこの寮。ここがサムの店だ。食材も雑貨も何でも揃っているから、欲しいものをサムに言え。金は学園長にツケるといい｣
ようは掃除がしたければ買ってこい、という事だ。お腹が空いたらの意味も込められていると思う。
｢いいか？今は綺麗にしただけで、頑丈にしてはいない。派手な動きはしないように。授業が終わったらまた来る｣
いつの間に掃除を！？やっぱり魔法ってすごい！先生だから難しい魔法も簡単にできちゃうんだろうな。
｢あ、あの······ありがとう、ございます｣
お礼はきちんと言わなければいけない。頭を下げると、クルーウェルさんは笑って頷いた。
｢Good girl。お礼が言えるとは良い仔犬だな。今度はクソカラスを連れて戻るから住めるようにしてくれるだろう。ではな｣
ポンポンと頭を撫でてクルーウェルさんはこのオンボロな家から出ていった。
途端に静かな家だと認識させられた。お姉ちゃんといた頃は何でも喋って楽しかったけど、ここにはいない。
｢どうしたんだゾ？怖くなっちまったか？子分のことはオレ様が守ってやるから心配いらないんだゾ｣
｢······うん。ありがと｣
これからどうしよう。何したらいいのか、分かんない。あの話的にここの学校にもしばらく通うみたいだし、怖いことがいっぱいだ。
早く帰りたい。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
