【番外編� 曠好�ラビアと美味しいご飯 ページ41
ぐう〜。
廊下を歩いていると自分のお腹の音が鳴った。うん、さすがに3日間ほぼ水だけで生活するのは無理があったかもしれない。限度は3日。覚えておこう。
学園長さんからお金は貰っているけれど、ボクが節度ある支出をしなくて、グリムがいっぱい食べるから最近よくこういう事が起こる。
家計簿の管理は稼いでいるお姉ちゃんに任せていたけど、ボクがやっていればもっと上手にやり繰り出来ていただろう。
それにグリムはいつも美味しそうに食べてくれる。ふにふにの肉球で食べ物を掴みモグモグと咀嚼する姿はもう愛らしいとしか言えない。そんなグリムからの｢おかわりなんだゾ！｣に逆らえる人はいないと思う。作り過ぎてもグリムは全部食べてくれるから結局一日の食費料を超えた分を作る。するとボクの分は足りなくなる。だから、我慢。
｢はぁ······｣
｢ため息とは珍しいな｣
｢ッ！！？！？｣
後ろにいたのはジャミル先輩。大富豪の息子のカリム先輩の従者さんだ。毒味をしたりカリム先輩を守るのが仕事だとこの前聞いた。従者とか本当にいるんだ。この世界はボクの知らないことばかりだ。
｢けっ、気配を消して話しかけるのやめてくださいって言ってるじゃないですか！｣
ビビりにはものすごく怖いんですよ！！
って脅かされる度に言ってるんだけど、聞いてくれた試しがない。
｢はいはい悪かったな。······ん？監督生、顔色が悪――――｣
｢もー、ジャミル！監督生をいじめたらダメだって言っただろー！｣
駆けてきたのはカリム先輩。明るくて元気で、真夏の太陽みたいな人だ。
｢は？俺はいじめてない。ため息を吐いていたから話しかけただけだ｣
フンっとしたジャミル先輩を見たカリム先輩は｢そっか！｣と何か納得して、ジャミル先輩に笑いかけた。
｢ジャミルは心配で監督生に話しかけたんだな！オレの代わりに監督生を見ていてくれたのか！ありがとう｣
｢いや違――――｣
｢って監督生、ため息吐いていたのか？どうしたんだ？｣
カリム先輩は表情をコロコロ変えて、今度はボクの心配をしてくれている。経緯を話そうとしたところで、またお腹が鳴ってしまった。非常に恥ずかしい。
｢腹が減ってるのか？よし、宴をしよう！ジャミルの飯は美味いんだ！｣
ボクの手を握ってペカーッと笑うカリム先輩。ジャミル先輩は頭を抱えて、さっきのボクより深いため息を吐いた。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
