信じない理由 37 ページ38
ラギー先輩に任されて監督生とグリムを連れていく。
最初に寮長室に呼ばれた時は何事かと思ったが、俺は同じ一年生として入学したこの二人の護衛役を任されたらしい。らしい、というのはレオナ先輩に聞いてもラギー先輩に聞いても『あれは守らなきゃいけない存在だ』としか聞かされていないからだ。
でも俺は知っている。監督生はきっと、家族に酷いことをされていたからここにいるんだ。
あの時の食堂に俺もいたから聞いてしまった。
『いいんです！ボクは食べれない日があっても水があれば生きていけます』
『ボク、返せるものがないからこれ以上迷惑かけられないんです。髪の毛も、居場所も、学園生活に必要なものももらったけど、お返しできるものがないから······。あとボクにできることは、お姉ちゃんにやらされてたことぐらいで』
『えっと、モデル？被写体？みたいなことしてました。ベッドに押し倒されて服を脱がされるとことか、拘束されるとことか、そういうのなら――――』
あのあとリドル先輩が止めていたけど、あそこまで言ったらもう隠せない。監督生の家族は監督生に対して水だけの生活を強いたり、教育上オモテにできないことをしてきたのだ。
守らなきゃいけない存在だ、というのはそういうことなのだろう。俺だって聞いていて守らなければと思ったのだから。
｢監督生、A組だよな？｣
｢はっ、はい！｣
監督生、俺の事怖がってるよな。まあ体がデカい自覚はある。こればっかりはどうしようもない。
｢俺はB組にいる。ハーツラビュルの奴らと打ち解けたって聞いたから大丈夫だとは思うが、何かあったらB組に来いよ。助けるから｣
｢うん、ありがとう。えっと······｣
｢ジャックでいい。1年生同士だからな｣
｢分かった。ありがとう、ジャック｣
先程より幾分か緩んだ表情に俺も口角をあげる。こうやって少しずつ打ち解けられたらいい。
｢昼は俺が迎えに行く。多分、さっきの植物園で食うと思うから一緒に行くぞ｣
｢分かった。すごいね、学校に植物園があるなんて｣
｢奥に行くほど危険な植物も育ててるらしいから奥へは行くなよ｣
刺激しなければ大人しい、みたいなことをクルーウェル先生が言っていた気がする。サイエンス部や薬学の授業で使う植物が育てられているから、授業の時に行くこともあるらしい。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
