信じない理由 26 ページ27
｢監督生ッ！｣
止めなければと思った。エース達も、トレイもケイトも青い顔をしていて、ふと周りを見たら生徒たちも静かになって監督生の身の上を聞いている。
だって、あんまりだ。実の姉にそんなコトをさせられていたんて誰が想像出来る？『痛いこと』『気持ち悪いこと』の点でそういったコトをさせられていた可能性があるのは分かっていたけれど、本人の口から聞かされると予想以上に心に刺さった。
監督生はいきなりボクが叫んだことにビックリしたのか肩を震わせてこちらを見た。
｢大丈夫。ボクは何かを要求したりしない。監督生の言っていたような"大人"の行為やお姉さんのやっていたことはしないと約束しよう。だからまだこの生活に慣れていない今は、たくさん迷惑をかけていいんだよ。少しずつできることを増やしていこう｣
ね？と監督生の手を取って微笑む。細い手だ。こんなのでは抵抗しても微力にしかならないだろう。この手で恐怖に耐えてきたんだ。
｢そうですね。できることは、増やしていかないと｣
｢少しずつでいいぞ。無理して詰めるのも良くないからな｣
｢そーそー！大変だったらけーくん達のところへおいでね。監督生ちゃんなら大歓迎！｣
トレイとケイトだって酷く心を痛めただろうに、監督生が信用してくれるように笑って言葉をかける。
2人が監督生に話している間に、まだ顔が青いままのエースとデュースへ声をかけた。
｢エース、デュース｣
｢り、寮長、監督生って······｣
エースの続きの言葉はわかる。ボクは頷いた。エースはそれを見て吐き気を抑えるように口に手を当てる。
｢家族に······されていたんですか······？｣
デュースの言葉にも頷く。食堂で話を聞いてしまった生徒も、何人か言葉を失っているのが分かった。
｢もうお分かりだね、2人とも。監督生にはそういった事情がある。だから知らないことの方が多いんだ。ボク達や他の寮長が見れない間は、任せたよ｣
｢｢······分かりました｣｣
ボクだって聞くのが辛いのに、まだ1年生になったばかりの2人には荷が重すぎる。だが頑張ってもらうしかない。後でまたしっかりを話をしなければ。
｢さ、監督生、お昼を食べようか｣
｢飯なんだゾー！！｣
お腹が空いていたのか元気がなかったグリムがピューっと食堂の注文コーナーへ向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 688人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
