第30話 ページ32
暗がりでもわかる。上質なスーツを着ている。車も高値のつくものだし、何より、その顔立ち。
｢･･･
テレビでもよく見かけるようになった、遅咲きの人気俳優。その渋さから裏社会のボスの役や口下手な父親の役などを主に演じている実力派だ。
その人相手に、サクヤは何と言った？
父さんと、そう呼んだか？
つまりは、あの人気俳優はサクヤの父ということになる。
葉山は器用に片眉を上げるとAを見つめ、ほぅ、と呟いた。
｢言っていなかったのか、私がお前の父親だと｣
｢生憎、父だと思ったことがなかったもので｣
サクヤから感じる怒り。恐らく、この気配を殺気と呼ぶのだろうと思った。今のサクヤは視線だけで射殺しそうな雰囲気だ。
｢それで、その子は何だ？次の相手か？この前は可愛らしい顔立ちをした女の子だったな。女だけに飽き足らず、男にまで手を出したか。救えないな｣
はぁ、とため息を零した葉山に、サクヤの体が震える。
それより、次の相手とは何の事だろう。手を出したかとは、言葉通りの意味なのだろうか。
サクヤは確かに顔がいい。恋人など切れたことがないと思うほどだ。だから、葉山の言いたいことは分かる。尻軽、ってことだ。
｢そういうところもあの女に似たのか。顔立ちだけは1級品だもんな。手癖の悪さまで似るのは当たり前か。その子はどうやって落としたんだ？道端でハンカチでも拾ってやったのか？｣
思わずサクヤの服を握りしめてしまった。
何だこの人。どうしてこんなにサクヤを侮辱出来るんだ。実の息子だろうに。
サクヤのように体が震える。恐怖でも不安でもない。これは明らかに怒りだ。息が荒くなる。
｢その子は知らないんだろう、お前のことを｣
｢やめろ！！！Aは関係ないだろ！！｣
葉山がAを見た。サクヤの叫ぶような悲鳴なんて届いていない。
｢そこの子、コイツはやめておけ。どうせ泣く羽目になる。顔の良さに溺れて落ちていくのを楽しんでいるような奴だ。恋をしたと分かれば離れていくような男と一緒になっても虚しいだけだろう。それに君も男だ。男同士で愛し合えると思ったか？そんなものはまやかしだ。もっと冷静に考えなさい｣
Aはサクヤを見上げた。目があったサクヤの顔が、怒りから恐怖と悲しみに変わったのを見て心を決めた。
サクヤから言わないなら、俺から言うしかない。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
