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第25話 ページ27

最近ずっと距離を置かれている自覚はあった。何が引き金になったのかは分からないが、ドッグタグをプレゼントした日から変わっていったことは確かだ。ドッグタグが原因かと思ったが、彼がドッグタグを取った日は見たことがないし、たまに握っているのを目にするから原因ではないと思う。

では何が?

分からない。福引で当てたぬいぐるみも、抱きしめて寝ているのを見たことがある。きっと彼の中で整理できないものがあるのだろう。彼と会う前の自分のように。

時間が経てばいつもの彼に戻ると思っていたのに、家に帰ってきた瞬間泣かれるとはさすがに予想出来なかった。しかも『関係ない』なんて、他でもない彼の口から聞きたくなかった。

払われた手が痛くて反射的に声を発すると、彼からは、ひゅっ、と息では無い音が聞こえた。

息が荒くなるのが見て取れる。過呼吸でも起こしそうな勢いだ。落ち着かせなければ。

「A―――」

「・・・出ていって」

絞り出した声は随分と震えていた。か細く、消えてしまいそうな声だった。

「サクヤが好きだから・・・サクヤを僕の大切な人にしたくない・・・ッ!!死んで欲しくない・・・お願い、アテがあるなら、出ていって・・・」

嗚呼、そうだった。
彼は、人を大切にすることを恐れている。

「・・・分かった」

サクヤは素早く荷物を準備して、玄関を出た。もともと私物は最低限のものしか買っていないのでまとめるのは簡単だった。
彼を一人にするのは嫌だったが、自分がいる事で本格的な過呼吸になったら笑えない。

Aはドッグタグを強く握りしめていた。俺と君の繋がりを、握りしめていた。

ならばすることは1つ。
無理矢理でも、彼を落としてやる。
人を大切にしてもいいと、特別な関係になっても死なないと覚えればいい。彼にとってこの世界が幸せであるように。

サクヤは携帯を取りだし、電話をかける。
相手はワンコールで出た。基本暇人だからだ。

〔どうした?〕

「例の件、やるよ。俺が全部作る」

〔はあ?全部ってお前、どんだけヤベーか分かってんだろーな?・・・・・・まぁ、やる気になったならいいか。手伝うか?〕

「大丈夫。今から籠って作り上げる。先にみんなに説明しておいて」

〔了解。あんま無理するなよ〕

分かってる、と返事をして電話を切る。やることは決まった。あとは一刻も早く作り上げるだけ。

Aのために。
彼の生きる世界が、少しでも『好き』で溢れるように。

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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける!もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう!(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし!2人で木になりましょう!!! (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します!!ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう!?私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します!!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年6月28日 22時

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