第34話 ページ36
｢｢ただいま｣｣
家に帰ってそう声をかけるのがこんなに嬉しい日はないだろう。そう思うと自然と口角があがる。
利紀に言われた酷い言葉の数々、サクヤは大丈夫かな？と見上げるとサクヤは家の空気を深く吸い込んでいた。
｢Aの匂い。やっと帰ってこれたって思っちゃって｣
もともとタレ目なのをさらに蕩けさせて言うので、Aも瞳を潤めて笑った。サクヤの"帰る場所"となっているのがとても嬉しい。
｢体冷えちゃったからお風呂入ろうか。それからちゃんと話すよ、俺の事｣
｢分かった｣
本当は今すぐにでも聞きたいけれど、落ち着いてからの方がゆっくり聞くことが出来そうだ。
言われた通りにお風呂に入り体をあたためる。
聞きたいけれど、言い表せない不安を感じているのも確かだ。Aはドッグタグを握りしめて、深呼吸をした。
自分がお風呂から上がりサクヤにもゆっくり浸かってもらい、今はお互い寝巻き姿だ。
サクヤが胡座をかいているのに対し、Aは正座で膝の上に力の籠った手が置いてある。話す側よりも緊張しているのか。そんなところも可愛いなぁと思いつつ、サクヤは真っ直ぐAを見つめた。
｢俺の名前は、葉山咲夜。花が咲くの『咲』に『夜』で咲夜。葉山利紀は俺の父親。･･･まぁ本当は父親とも思いたくないけど｣
咲夜は利紀と
つまり利紀は水姫に捨てられたのだ。水姫は咲夜を置いて出ていった。それが気に入らなかった利紀は顔が似ている咲夜に暴言を吐いた。
認めてもらえない。将来は汚い仕事につくんだろうなと罵る父を見返したくて楽器を初めた。咲夜は要領も頭も良かったので、どの楽器もすぐにコツを掴んで弾くことができる。
そんなある時に、バンドを組んだ。inefficiencyというバンド。意味は能無し。
外見では無く、中身を見て欲しい。そんな思いを抱えたバンドメンバーなので、顔を隠してバンドをすることを決めた。顔なし、つまりは脳なし。漢字を変えて能無し。自分たちのコンプレックスを文字った皮肉なバンド名だ。
｢そこからは簡単。あの人と会わないように色んなとこでバンドして、寝泊まりして。帰ったときに偶然会って色々言われたのが辛くて、気付いたらゴミ捨て場にいた｣
ゴミ捨て場。あそこに行ったからこそ、Aに会えた。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
