第18話 ページ20
テレビから不穏な音楽が聞こえる。何かが落ちる大きな音も、演者の悲鳴も。
はっきり言っておこう。こんなに怖いとは思わなかった！！！
店でオススメされていたとサクヤは言った。改めて考えれば、オススメされている物が怖くないわけないのだ。『ホラー』として勧めているのだから当然のこと。Aは完全に舐めきっていた。
だが成人済の大人がビクビク怯えていられない。ちらっとサクヤを見ても、サクヤは純粋にこの映画を楽しんでいるようで怖がってはいない。そう、この映画は怖くない。怖くないぞ。なんてったって大人だから！
なんて結論した時に大きな悲鳴。ケラケラ笑って迫る幽霊を見てしまった。
｢ひっ｣
何だあれ！関節がおかしな方向向いてた！！人じゃないぃ！監督さんこれ多分ご本人撮れちゃってますよ！！
あああ引きずられてる！転んだお兄さんが地面に連れてかれる！！早く助けてあげて！！あああ消えたぁ！！あの人どうなるの！！？死んじゃう！？
だがこれはまだ中盤。クライマックスまではまだあるのだ。
｢今のシーン怖かったね。俺もびっくりしちゃった｣
サクヤがこちらを見て微笑む。
あ、何だぁ。サクヤも怖かったのか。
｢こういうシーンまだありそうだよね。良かったらもっと近くにいていいかな？一緒にいれば怖くないと思うんだ｣
サクヤが困ったような微笑みを浮かべる。このイケメンにＮＯと言える奴がいたら出てきて欲しい。俺には無理。
それに、確かに一緒にいれば怖くないかもしれない。Aは素直に頷いた。
体が触れるくらいの距離に座ると頭を撫でられた。近い。イケメンの至近距離過剰摂取。
でも、安心する。ホラーを観ているときに人の体温があると安らげるんだな。
先程より落ち着いた心でホラーを観る。クライマックスで色んな音が響いてビクビクしていると、その度にサクヤが頭を撫でる。まるで『大丈夫だよ。俺がいるよ』と言っているようで、怖かったけれども泣き叫ぶまではいかなかった。
もしかして、隣に来たのは俺が怖くないように気を遣ってくれたのかな、なんて。サクヤならやりそうだ。
｢しばらく1人が怖くなっちゃうね｣
観終わったあとサクヤがそう言った。ホラーとしては素晴らしい作品だったけど、思いっきり怖かった。サクヤが隣にいてくれてよかった。
――こんなに完璧なのに、どうして家族と喧嘩してゴミ捨て場にいたのだろう。
一緒にいればいるほど、気になる気持ちが増えていく。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
