至れり尽くせり過ぎてもう色々やばい ページ23
すごく立派な馬車に揺られること数十分。着いたのは大きなお屋敷だった。庭には芝生と噴水。側面には花が咲き誇っている。真ん中にある屋敷は金色の装飾が至る所にされていた。
「・・・え、ここに住むの?これから?」
この屋敷は、エルに言われて来た別荘だ。Aとファルは、今日からここに住むことになる。
エル曰く、『招待したのはこちらだから衣食住は考えなくていいよ。さっきも言ったけど別荘に住んでもらうし、食事や掃除はこちらの使用人がやるつもりだ。服も私のお古になるが好きに使ってくれて構わないよ』とのことだ。
いやいや、王子のお古着るとか無理ですが!?
「あまりにも恐れ多い・・・」
そんなAを他所に、ファルはずんずん進み扉を開けた。
中はシャンデリアの光が照らし、レッドカーペットが敷かれ、扉にはそれぞれ違う模様が描かれている。
明らかに別荘とかのレベルじゃない。
「ま、ソファーは及第点だな」
ファルは驚くわけでもなく置いてある大きなソファーに座った。手招きされたので恐る恐る近付いて、そっと座ってみる。
ふわん
「おお・・・!!」
まるで包み込まれているような感覚。これはアレだ。人をダメにするタイプのやつだ。
「他の部屋も見てみるか?」
ファルと一緒にとりあえず部屋の扉を開けてみる。
自室に使えるであろう部屋はたくさんあって、御手洗は豪華で、お風呂はまるでホテルのような大きさ。クローゼットには王子様のお古が大量にあって、レストランみたいに大きい冷蔵庫とキッチンには何に使うかわからない調理道具まで揃っていて、どこもかしこも高級品ばかりだ。
とりあえず自分たちの部屋を決め、持ってきた物を整理して終わることにする。
掃除と食事は決まった時間に使用人が来るらしい。至れり尽くせり過ぎて、自堕落になってしまう予感がした。
「じゃあ王都のギルドに登録したらどうだ?」
ファルにどうしたらいいのか聞くとそんな答えが返ってきた。
ギルドって、異世界ものでよく見るあのギルドか?依頼見つけてモンスター倒してお金もらう、あのギルドか?
「スキルを使いこなす練習にもなるし、お金も貯まる。悪くは無いと思うぞ」
「やりたい!」
すごいな。ギルドがあるなんてワクワクする。明日は観光がてらギルドに行って登録してみよう。そしたらこの世界のことも、魔法やスキルのことも、もっとよく知ることが出来るかもしれない。
僕達って今無一文なんじゃ・・・!?→←笑顔を崩さない王子様ほど怖いよね
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時