このままだとファルが不敬罪で捕まりかねない ページ21
まだあどけなさが残る顔立ちだが、気品といい所作といい将来この国を背負っていく者の気高さを感じた。
｢クルシュ、下がっていいよ。ありがとう｣
｢はっ！｣
クルシュは素早く部屋から出ていき、部屋にはAとファルと王子だけになった。
｢私はエル・メーリス・レンドルア。レンドルア王国の第一王子だよ。急にここに連れてきてしまってすまないね｣
お辞儀をしたエルは眉を下げて謝った。素人目でもわかるくらい、何もかもが綺麗だ。
見惚れてから思い出す。目の前にいるのは第一王子。何か不敬なことをしたら首が飛ばされる。そんなの嫌だ！！
｢いっ、いえ！お会いできて光栄ですエル王子｣
思いっきり頭を下げると、ファルも少しだけ頭を下げた。
｢いいよ、そんなに畏まらないで。堅苦しいのはあまり好きじゃないんだ｣
コツンと靴を鳴らしてエルが近付く。Aがそっと顔を上げた時にはキラキラしている顔が目の前にあった。
なびく白い正装から爽やかな香水の匂いがする。
｢君の名前を―――――｣
言いながらエルがAの手を取ろうとして、ファルが庇うように前に立った。クルシュの時にもやったように。
守ってくれるのは嬉しいが、相手はこの国の王子だ。エルが怒って不敬罪としてファルが連行される姿が容易に想像出来て慌ててファルの服を掴む。
｢何故手に魔力を込めている？コイツに何する気だ｣
ファルはエルを睨む。
え、魔力？僕を掴もうとした手に魔力こもってたの！？
Aは驚いてエルを見ると、エルはパチパチと瞬きをした。だがすぐに肩を震わせて笑い出した。
｢なるほど。君はこの子の
エルは手を下ろした。ファルの警戒が緩んだので魔力を解いたのだろう。
｢今手に込めていたのは探知スキルの魔力だよ。握手と同時に君のことを調べたかったんだ｣
驚かせてごめんね、とエルは笑った。ファルは今のでエルが警戒対象になったのでまだ睨みを利かせている。だが本当にこのままだとファルが不敬罪で捕まりかねない。
｢大丈夫だよ｣
ファルにそう声をかけて前に出る。エルはまたにこやかに微笑んだ。
｢僕はA・ハーネストと言います。こちらはファル。よろしくお願いいたします、エル王子｣
他に何を言ったらいいのか分からないから、とりあえず名前だけ。頭を下げるとエルは｢ありがとう｣と声をかけてくれた。
｢早速だがA、ファル。今後の話をしたい｣
･･･今後の話？
笑顔を崩さない王子様ほど怖いよね→←ネズミがいる夢の国のお城が目の前に！
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ！ありがとうございます！転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです！これからも応援よろしくお願いいたします！ (2020年8月2日 22時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください！！楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました（笑）まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします！コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年4月15日 6時
