憧れのシチュだけど男同士じゃ何も始まらないんだよ ページ12
確かに普通のイグアナではないと思っていたけども、こんなイケメンになるなんて思っていなかった。魔法が使えて狩りも出来てそのうえイケメンだなんて優秀すぎやしないか?
「うん、信じるよ」
仕方ない。この世界は魔法が使えるのだ。この調子じゃ王都にケモ耳キャラとかいそうだな。朝起きたらイグアナが白髪イケメンに変わっているのを経験したから、もう驚くことはないだろう。
「そうか、良かった。ところで名前は?俺はまだ君の名前を知らないんだ」
「僕はA。A・ハーネイトって言うんだ。よろしく、ファル」
握手しようと手を伸ばしたら、その手を引っ張られぎゅっと抱きしめられた。突然の事で脳が停止する。
「あの時助けてくれて感謝している。ありがとう。あの日からずっと言いたかった」
耳元で心地いい低音が流れる。うわぁいい声。
しかも背が高いのでAはファルの体にすっぽり収まっている。男としては悲しい事実だ。
「い、いや・・・怪我していたら助けるのが当たり前だよ」
助けた結果イケメンになるとは思ってなかったけどね!!
心の中でそう付け足しておく。
「それでも嬉しかった。人に優しくされたことはなかったからな」
体を離し目が合うと、ふわっと柔和な笑みを浮かべるファル。綺麗な顔だ。思わずほぅ・・・と見惚れると金の瞳が逸れた。
「さ、さて!今日はやることがたくさんある。俺がちゃんと手取り足取り教えるからな。来るといい」
少し顔が赤くなったファルに手を引かれ外に出る。バリア内であろう少し広いところに出るとファルは手を離した。
「まずは護身術を身につけよう。逃げているだけでは限界があるからな。俺もまたあの時のようにAから血が流れるのを見たくない」
助けたときの首の傷を言っているのだろう。確かに自分も、あんな痛い思いはもうしたくない。
ファルがパチンと指を弾くと、ファルの手には昨日手に入れた木の棒が握られていた。魔法って有能だ。
それをAに持たせると、ファルは後ろにいきバックハグの状態になった。木の棒を持つ手が上から握られる。
「少しずつやっていこう。大丈夫だ、何かあったら絶対に守る」
かっこいい!かっこいいけども・・・!男同士でこのシチュエーションはおかしいと思うんだよなぁ!!
だが確かにファルの言うことは一理ある。あのウサギモンスター相手に逃げてばかりではダメだ。勝たないと王都にも行けないし。
「僕頑張るよ、ファル」
初めてチートっぽいこと言われたけど属性無いから結局マイナスだよね→←起きたら隣にイケメンとか、それなんて乙女ゲーム?
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時