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吸血 45 ページ49

ルイside

ダンピールのせいで孤独だった。誰も助けようとしてくれない。唯一手を伸ばしてくれた美香さんと祐二さんはもういない。

でも、俺を大切に思ってくれているAがいる。Aには話さないといけないな。例えそれで嫌われても、俺はAを守り抜く。

ル「話そうか、ダンピールのこと」

Aもさっきの政府の犬の言葉を聞いて気になっているだろうし、Aにはたくさん迷惑をかけたからな。

主「え?で、でも、ルイが嫌なら無理強いしないよ?僕は知らなくてもいいことでしょ?それに…………その話を聞いた時のルイの顔、いつも苦しそうだから、そういう顔をさせたくない」

それからAは俺の方を向いて眉尻を下げて微笑んだ。

主「だから大丈夫だよ?ほら、早く帰ろ!」

ル「…………ああ」

Aはやっぱり天使みたいな存在だ。俺の心を癒して、元々愛しいと思っているのにさらに愛しいと思わせてしまう。

家に帰り、Aをソファーに座らせる。ダンピールの件をAに話そう。

ル「話すよ、ダンピールのこと。俺が、Aに話したいって思ったから」

Aは真剣な顔で頷いた。

ル「ダンピールっていうのは人間と吸血鬼の混血だ。不死身の吸血鬼を、殺せる力を持っている。吸血鬼からは恐れられ、人間からは畏怖の目で見られる」

吸血鬼は純血しか好まない。畏怖の目を向けるが、混血のダンピールを罵る。力は人間より少し上な程度なので戦いになってもダンピールが勝てないからだ。

ル「俺の祖母が吸血鬼、祖父が人間。母親がダンピールで父親が吸血鬼。俺はその間に生まれた。だから言うなれば、ダンピールのクウォーターなんだ」

人間と同じで食事と睡眠は必要。味がしないものでも一週間に一度食べないと倒れてしまう。吸血鬼が灰になると言われている日光も平気。でも血液は必要。中途半端な体だ。

ル「吸血鬼にとってダンピールは、最低の罵倒になる。俺は…………周りからそう言われ続けて、逃げ出したんだ」

もうダンピールと言われ続けるのも、あの目を向けられるのもうんざりだ。逃げ出して、日本に来て、でも食事がなくて暴走したときに美香さん達に助けられた。

主「そう、なんだ………ごめんね、辛い話、させちゃって……」

俺の話を聞いたAは泣いていた。ほら、Aは自分のことのように受け止めてくれる。

ル「いや。ありがとな。俺のために、泣いてくれて」

ポロポロと涙を流すAを俺はギュッと抱き締めた。

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設定タグ:埋夜冬 , オリジナル , 吸血鬼   
作品ジャンル:ファンタジー
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとうございます!ここから戦争ですよ〜!楽しんでいただけたら嬉しいです!コメントありがとうございます♪ (2018年4月19日 23時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - おお、攻撃的な人、きましたね。これから吹き荒れる嵐、楽しみです!頑張ってください!! (2018年4月19日 22時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます!これからどんどん全面戦争(笑)に突入させていきますよ〜!コメントありがとうございます♪ (2018年3月19日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみです!これからも頑張って下さい! (2018年3月19日 2時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
朱里。(プロフ) - 埋夜冬さん» オーケーです。わぁーい!!!たくさん話せる! (2018年3月17日 2時) (レス) id: 8144e7abed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年1月29日 23時

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