吸血 36 ページ40
Aside
何だか頭がふわふわする。何処からか声が聞こえる。
ル「がッ!くそ……っ!」
これは……ルイの声?
重たい瞼を開けると______
酒「オラどうした!?反撃しろよ!」
天井に張り付けられたルイを、白い髪の誰かが殴っていた。2人とも浮いている。でも今はそんなことより、
主「ルイっ!!!」
これ以上やられたらルイが死んじゃう!助けなきゃ!
僕が叫ぶとルイが目を見開いて驚く。そして、白い髪の誰かはこちらを振り向いた。
白目の部分は黒、瞳の色は紅い。それは、僕があの時見た先輩の左目だ。つまりあれは。
主「りょ、う、先、輩………?」
あの角が生えていて髪に藍色のメッシュが入っている誰かは、涼先輩ということだ。
酒「おはようA。先に言っとくが俺は涼じゃない。平安時代の妖の長、鬼の酒呑童子だ」
しゅてん、どうじ……?鬼?
ル「Aっ!待ってろ、今すぐコイツ倒すから!家に帰ろう!」
でもルイは傷だらけだ。対して酒呑童子とかいう鬼はそこまで傷だらけではない。
主「ルイ!もうやめて!死んじゃう!」
ルイの方へ駆けていこうとした時だ。
酒「動くな。死ぬぞ」
いつの間にか僕の足に鎖が繋がれていた。今いる場所から一歩も動けない。
ル「てめっ……!Aは人間なんだぞ!呪術使うな!」
酒「うるせぇな。言ったろ。Aには傷1つ付けるつもりねぇって、さっ!」
ル「ふぐぅ!!」
酒呑童子はルイのお腹を殴る。ルイっ……!
ル「おい」
ルイは酒呑童子を見つめる。ここからでも分かる。ルイの纏う雰囲気が何だか変わった。ルイの瞳の紅い色が深紅になっていく。
酒「ぐっ……」
空中でふらついた酒呑童子。何かの力が消えたのかルイは地上に降りてきた。
酒「何した」
ル「チャーム」
確か、手っ取り早い誘惑の魔法だったっけ。同じ人外にも効果はあるんだ。
ル「お待ちかねの反撃タイムだ」
速すぎて何が起きているのか分からない。壁に当たりながら攻防を繰り返しているのだろうか。
ガンッ ガシャーン
2人が天井に当たったのだと思う。元々廃工場だから造りが脆い。その天井が崩れ、僕の方へ落ちてくる。
主「ひぃ!!」
ル/酒「Aっ!!!!」
逃げられない。僕は来るであろう激痛を耐えるため、ギュッと強く目を閉じた。
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埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとうございます!ここから戦争ですよ〜!楽しんでいただけたら嬉しいです!コメントありがとうございます♪ (2018年4月19日 23時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - おお、攻撃的な人、きましたね。これから吹き荒れる嵐、楽しみです!頑張ってください!! (2018年4月19日 22時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます!これからどんどん全面戦争(笑)に突入させていきますよ〜!コメントありがとうございます♪ (2018年3月19日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続き楽しみです!これからも頑張って下さい! (2018年3月19日 2時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
朱里。(プロフ) - 埋夜冬さん» オーケーです。わぁーい!!!たくさん話せる! (2018年3月17日 2時) (レス) id: 8144e7abed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年1月29日 23時