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21話[☆] ページ43

琉司の顔が赤くなっているのを見てしまった。
しまった、というのは流石に語弊がある気がする。
見えたのだ。
隠そうとしたのだろうが、全く隠せていなかった。
男子に可愛いは禁句であることを分かってはいるものの、不覚にも可愛らしいと思ってしまった。
何故かは分からないが。

「漫画の続き、気になりました。本屋で見つけたら買ってみようかな」

琉司の話を聞いて気になった。
家に数少ない漫画しかないのだ。
両親が帰ってきた時に見せることも買っておけば、出来るだろう。
そうすれば、学校で仲の良い友人が出来たと安心させれるかもしれない。

「買うんか」

まぁ、そりゃそうだ。
買わずしてどうすれば良いんだ。
金持ちでも流石に本とかは買っている。

「え、駄目ですか?」

「あ、いや……その……」

なにか言いたそうにしている。
何を言いたいのだろうか。
言って貰わなければ、全くと言っていいほど分からない。
何を隠そう、桜は周りが驚くほどの鈍感だった。

「お、俺が…貸してやってもいいけど」

「えっ」

「本屋行ったら抜けてる巻もあんだろ。1巻から揃えるより、俺が貸した方が確実だろ」

そう言われればそうだ。
でも、両親に言えなくなってしまわないか。
せっかく貸してくれると言っているのだし。
おとなしく借りた方が良いのでは無いだろうか。
いや、でもなぁ…。
借りた巻がお気に入りだったら…。
いや、ここで疑うのは今までの彼すら疑うことになってしまう。
それだけは駄目だ。

「何悩んでんだよ。別に汚しても締め上げたりはしねーよ」

うん、ここまで言ってくれているのだし。
既に疑う余地もないだろう。
出てしまった言葉は何をどうあがいたって、消せはしないのだから。

「じゃあ、お願いします」

彼に向けてぺこり、とお辞儀をする。

「おう!」

そう言って笑った彼に、思わずドキッと胸が高鳴った。
何、これ。
こんなの知らないのに…。
顔、赤くなってないかな。
なんて、少し不安になった。

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埋夜冬(プロフ) - 桧さん» 返信遅くなりすみません!続編にいくので、引き続き応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2021年9月7日 18時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃめちゃ面白いです!!更新楽しみに気長に待ってますね!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - あおん。さん» コメントありがとうございます!ゆっくりとした更新になりますが、これからも応援の程宜しくお願い致します! (2020年9月28日 13時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あおん。さん» ありがとうございます!ちまちま更新していきますが、これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年9月28日 8時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
あおん。 - 面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年9月28日 4時) (レス) id: 71950dc544 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜 冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2020年3月1日 13時

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