18話[♪] ページ36
琉司は『早くしろよ?』と目で訴えている羽叶にため息を吐いて大人しく且つ端的に紹介した。
「あー・・・、葉鍵桜だ。姉貴が持ってた写真でかぐや様をやってた奴。顔とか声とか、かぐや様に寄せれる、すげー奴だぞ」
隣に座る桜を紹介する時に自信を持って力説したいポイント、それが声まで寄せられるということ。それは誰にでもできることではない。もちろんコスプレの技も一級品だが、声も出来ることをたくさんの人に知ってもらいたいと琉司は思う。
「っつーか、よくあの写真で女だと思わなかったな」
てっきり琉司は、羽叶が桜のことを女だと思っているから『連れてこいよ?』の時あのテンションだったのだろうと思っていた。
初めて桜と会って驚くかと思いきや、そんなに反応が無かった。つまり、男だと分かっていたのだ。
「まあそこは私の並外れた観察眼が活躍したのだよ!・・・・・・ってちょっと待って、葉鍵って言った!!??」
ガタッと羽叶が立ち上がる。桜がビクビク震えていたので、背中を優しく叩いておいた。
「だからいちいちウルセーっつってんだろこの馬鹿姉貴!!座れ!」
羽叶は琉司の言葉など聞いていなかったが、苗字が『葉鍵』なのはあっていると分かり「おぅ・・・」と唸って座った。まあ座ったからいいとしよう。
それにしても、何だこの反応は。
「もしかしてお父さんの名前、葉鍵一優さん?」
そこで桜がバッと顔を上げた。羽叶の口からその名が出たことに驚いたのだろう。
「何で・・・!?」
「やっぱりそうなのね!!その苗字でピンときたよ!!」
またもやガタッと立ち上がり、前のめりで桜に顔を近づける。顔を上げた状態だった桜は声も出せず驚いていた。
「だから驚かすな馬鹿姉貴!桜、場所変わるか?姉貴の向かいにいたらずっとこの調子だぞ」
あ〜ぁ、こんなに震えてしまって。桜が可哀想だ。だが桜が頷く前に羽叶が席を移動して桜の手を握った。
「一優さんのデザインは本当に繊細で、それなのに大胆にも見える素晴らしいデザイナーだよ!ファッションセンスもカラーセンスも抜群で、キャラの服装考える時も過去の作品見てかっこいいの学んでるんだよ!服も持ってるよ!一優さんデザインのブランド物!!」
琉司は羽叶が何て言ってるかさっぱりだが、とりあえず今の羽叶は推しの作品見てる時とそっくりだ。
・・・・・・つまり、桜の父さんが、姉貴の推し・・・?
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埋夜冬(プロフ) - 桧さん» 返信遅くなりすみません!続編にいくので、引き続き応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2021年9月7日 18時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
桧 - めちゃめちゃ面白いです!!更新楽しみに気長に待ってますね!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - あおん。さん» コメントありがとうございます!ゆっくりとした更新になりますが、これからも応援の程宜しくお願い致します! (2020年9月28日 13時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あおん。さん» ありがとうございます!ちまちま更新していきますが、これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年9月28日 8時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
あおん。 - 面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年9月28日 4時) (レス) id: 71950dc544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜 冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1
作成日時:2020年3月1日 13時