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8話[♪] ページ16

「お待たせしました」

しばらくしてから完璧なかぐや様の桜が出てくる。まだ声はそのままだが服装も瞳の色も、あの時のかぐや様そのものだ。
すごい。本物だ。こんなに完成度が高くて、見ているのにお金を払った方がいいだろうかと考えてしまう。

「お前・・・本当にすげーな。金払った方がいいか?こんないいのをタダで見せてもらうのは他のファンに悪ぃ気がしてきた」

いやでもこの前姉が『大好きでタダより高いものは無い』と言っていたな。つまりは今タダで見せてもらっている現状が一番高い・・・?タダなのに・・・?
琉司は馬鹿なので頭が混乱してきた。

「ファンって・・・僕は有名レイヤーじゃないですよ。お金も要らないです」

鏡の前で微調整をしながら桜が言う。タダについての話が頭から離れた。そうだ。今からこの素晴らしいかぐや様を撮影させていただくのだ。余計なことを考える暇などない。

「それで、撮るんですか?」

「それなんだけどよ。下で撮らせてくんねーかな」

「は?」

さすがに下で撮るとは思っていなかったのか、桜は驚きに顔を染めた。

先程の素敵な家具の数々。あれは撮影スタジオ並だ。傷も付いてないし、まず中の人本人の家のものなので扱いは慣れているだろう。撮影したらリラックスした素敵なかぐや様が撮れそうだと思っていた。
その旨を伝えると彼は「はぁ」と曖昧な返事をした。

「で、いいんか、下」

いいよな?いいよな!?と体がそわそわしている。今脳内であの下にある家具やアンティークなどをどう動かそうかに考えが巡っている。かぐや様が映えるように設置する家具を考えて、何個ものパターンを思いついた。こういうことに対しての頭の回転は早い。好きな事だから。

もともと琉司は背が高いので桜から見たら高圧的に見えるだろう。『いいんか』と聞いていても拒否したら怖いことが待っていそうだ。

「も、元に戻すの手伝ってくれるなら・・・」

「任せろ。力仕事は得意だ」

喧嘩で鍛え上げられた筋肉はこの為にあるのかと思うほど、今の琉司は幸せだった。興奮したので新たに何パターンか浮かんだので、この際全てやらせてもらおう。

「じゃあ行くか。動かすから少し待ってろや。あ、ここら辺の借りる」

小物たちをいくつか見繕って下に行く。
まずは何からしようか。ソファーを動かすか。いやその前にテーブルで優雅に紅茶を飲んでもらおうか。
琉司はテンション高く1階への階段を降りていった。

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埋夜冬(プロフ) - 桧さん» 返信遅くなりすみません!続編にいくので、引き続き応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2021年9月7日 18時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃめちゃ面白いです!!更新楽しみに気長に待ってますね!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - あおん。さん» コメントありがとうございます!ゆっくりとした更新になりますが、これからも応援の程宜しくお願い致します! (2020年9月28日 13時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あおん。さん» ありがとうございます!ちまちま更新していきますが、これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年9月28日 8時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
あおん。 - 面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年9月28日 4時) (レス) id: 71950dc544 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜 冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2020年3月1日 13時

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