70冊目 ページ31
「ちょっ、湊！」
慌てるAは髪を撫でることで黙らせて嘉川を見る。
「大丈夫です。嘉川先生に何か言われた程度じゃもうなびきません」
名前呼びと、Aの幸せそうな顔で分かるでしょう？と目が言っている。対抗心むき出しだ。安い挑発だがAはもう自分の恋人だと見せることが出来るなら何とも思わない。
「はっはっはっはっはっはっ！！」
すると何故か嘉川は笑った。稀に見る大爆笑だ。今も目に涙を浮かべるレベルで笑っている。
「いやはや、素晴らしいね九条くん！こんなに笑ったのは何十年ぶりだろう。はぁ、お腹が痛いよ、ふふっ」
ひとしきり笑った嘉川は品の良い笑顔でこちらを見た。
「すまないね、試すようなことを言ってしまって。もう何とも思っていないよ。自分の編集者も戻したし、何よりとても素敵なものが見れた。予想以上だよ」
嘉川が何を言いたいのか分からなくて湊と愛川と凛音とAはハテナを浮かべた。
嘉川曰く、
Aという編集者が新人で九条湊の編集者になったこと、同居していること、湊の作品の受キャラのような性格であることは知っていたらしい。さらに新作を読んで、この2人はくっついた方がこの先上手くいくことも気付いた。今後のネタにもなるのでくっつけよう。
そう思って近づいたそうだ。
「愛し合える関係であることは新しい感情がどんどん芽生えてくる。作家にとってこれほど嬉しいことはない。作品に活かせばより良い作品になると思うよ」
つまりAを狙っていたわけではなく。湊達が早く付き合うために自ら当て馬役をしたわけだ。
「まあ作品を編集してもらいたいと言うのは本当だよ。機会があれば是非一度してもらいたいね。あと九条くん、何かあれば私のところに来ると良い。人生の先輩として色々アドバイスしてあげよう」
「はあ……、ありがとうございます」
嘉川は一体何なんだ。ネタになりそうだからと言って、下手したらセクハラ通報物なことをするだろうか。有名な作家様はどこかずれている。
「ふふ、さあ祝おう。九条くんの誕生日なんだろう。もう午後だからね」
「あ、どうぞ嘉川先生」
Aが嘉川を家に上げる。色々納得できないと言うか、何だかモヤモヤが残るなぁと言うのが湊の意見だが、一先ずAを狙うことはないらしいので安心しておこう。
誕生日会は、まだまだ始まったばかりだ。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！返信遅れてごめんなさい！キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω｀*) (2019年12月14日 13時) (
レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜！！この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません！ドキドキしていただけたなら作者も満足です！次回作もよろしくお願いします！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません！可愛く書けていたなら良かったです！次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね！この作品を読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました！完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年8月10日 22時
