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24冊目 ページ27

天宮凛音は大人気漫画家だ。サイン会をしたら列になるのなんか当たり前だし、テレビにも出演している。小悪魔キャラとしてなかなかの人気だ。自分の作品は有名になるためにはテレビ出演が手っ取り早い。

なので生放送の番組でも自身の作品の宣伝は抜かりない。
凛音が出演しているテレビを湊と二人で見ていたAは驚いた。 生放送で、まさか

〔今回、僕はあの九条湊とコラボしたBL作品を描こうと思っているよ!BLなんて描く気なかったんだけど、九条サンの編集者がとーっても可愛い従兄弟でね、ついついOKしちゃった〕

音符マークがつきそうな勢いでAのことを言うだなんて。

〔へぇ。天宮さんが言うくらいならとんでもなく可愛い女性なんでしょうね!〕

芸能人がそう言うと凛音は首を振った。
このままでは凛音が爆弾を落とす!生放送で何てこと言うつもりなの凛音!!とAの脳内はあたふただ。

〔男なんだよBL作家九条湊の編集者!なんて言うか、家庭的というか……とにかく柔らかいオーラで優しいんだ〕

あああ爆弾落としたぁぁ!!ほらもーテレビからでも分かるよその固まった空気!!

「確かに家庭的だよね」

湊はテレビに向かって頷いた。凛音とは一生分かり合える気がしないが、A関連の話なら少しは話せるかもしれない。「僕は幼馴染なんだよ?君よりAのこと知ってるんだよね。Aのこと全部知ってますみたいな口調やめてくれる?」と言われるのは目に見えているが。

「九条先生!そんな呑気なこと言って……!」

ピコン。ピコンピコンピコン
Aの携帯が鳴り響いている。ああ、始まった。編集者として、ある意味恐怖を抱くこの音。編集長からの連絡ではない。

Aはスイッターという出来事を呟くサイトに九条湊のアカウントをつくったのだ。これもファンを増やすためのこと。ファンの人たちはたくさんフォローしてくれているが、こういう時の結束力が半端じゃない。

例えばそう。今みたいに凛音が先に宣伝をしたときとか。例えば、編集者が男だと知ったBL好きの女子たちとか。

『えー、凛音くんの漫画と九条さんの小説!ヤバい買うしかない!』『湊さんスイッターの意味ないよぉ!でも好きぃ!』『編集者男なの!?これはもしかしてもしかする……?』『湊くん→編集者くん←凛音くん って三角関係じゃね?』

こうなるから爆弾を落とさないでほしかった。
まぁ、凛音に言わなかった僕も悪いのだが。
Aは携帯の電源を落とし深くため息を吐いた。

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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます! (2019年8月17日 12時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます!自由に付けてくださって大丈夫ですよ!! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね? (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……!(照)ありがとうございます!ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います!お楽しみに!!☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年4月23日 23時

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