23冊目 ページ26
今回湊が書こうとしている小説は、攻めも受けも孤独な人だ。ナルシストで元気なお調子者の悪魔と、病弱ですぐ諦める人間の、愛を知る話。
願いを1つ叶えることのできる悪魔は受けである病弱な人のところに出てくる。その悪魔には１つ願いがあった。その願いを当てられたら、願いを叶える力はお前のために使おうと。
だが彼は言うのだ。「願い？ないかな。ごめんね力になれなくて。他をあたって」。人間は誰しも欲を持っている。願いがないなんて嘘だな、と悪魔は彼の願いを知るために一緒に過ごすことにした。
BLなのでやはりくっつくが、そこまでにいろいろアクシデントがあり、読みごたえのある作品になっている。
凛音たちが帰ったあと、湊はふぅと息を吐いた。
「九条先生お疲れ様です。良かったですね、凛音描くなら俺も安心できます」
空っぽになっていたロイヤルミルクティーのおかわりを注ぎながらAは笑う。
「……天宮凛音は、昔からあんな感じなの？」
「あんな感じ、とは？」
ああやはり。彼の溺愛度にAは気付いていないのか。湊は嘆息した。
「Aってさ、彼女いない歴＝年齢でしょ」
いきなり失礼だな！？と思いつつも合っているので言い返せない。Aは今まで彼女がいたことがないのだ。ほしいけど。
「た、確かにいたことないですけど……」
だろうな、と思う。
あれだけAを溺愛してるのに彼女がいていいなんて思うわけないのだ。おそらくAの知らないところで、Aに気がありそうな子を排除していただろう。裏で手を回していそうだ。
そして、湊の予想は合っている。凛音はずっとそうやってAと過ごせるようにしていた。
やっぱり凛音は典型的なメンヘラか？
「天宮と喧嘩とか、したことあるの？」
「ん〜……。ないと思います。いや、俺が忘れているだけかもしれないですけど」
あの溺愛っぷりでは喧嘩しないように注意していただろう。
「あ、一度だけ、すごく幼い時ですけど、俺が本に夢中になりすぎて『ボクにも構ってよっ！』って言われたことがありますね。あの時の凛音の怒り方、可愛かったなぁ」
思い出したAはクスッと笑った。
溺愛する前の話か溺愛した後かでその怒り方の解釈がずいぶん違ってくるが、まあいい。
どちらにせよ計算高い男だ。
上手く話がまとまればいいのだが…。
2回目の話し合いが嫌になってきた。
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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます！ (2019年8月17日 12時) (
レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます！自由に付けてくださって大丈夫ですよ！！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね？ (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……！(照)ありがとうございます！ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います！お楽しみに！！☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年4月23日 23時
