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22冊目 ページ25

生まれた病院、小学校、中学校、高校……。凛音はAとずっと一緒だった。昔から優しくて、一生懸命で、流されやすい性格をしていたから心配で堪らない。
幼いながら、ボクがAを守らなきゃ、と考えて育った凛音は、今や宗教を開けるぐらいにAのことが大好きだ。

そんなAを置いて都会に来るのはかなり嫌だったし、変な虫がつこうものなら完全犯罪を目指すレベルで用意をしていた。
何事もなく上京したと聞いたときは、召されるんじゃないかと思うくらい嬉しかったのに……。

こんなAの好きなもののことも知らない作家ごときに、Aを渡してなるものか。

「自分の作品に感化されて、Aが好きなのかもしれないなんて勘違いしないでよね。そんなの無いから」

だから自分は釘を刺しておかないといけない。Aが流されるより前に、根本を消してしまわないと。
そんな凛音に対し、湊は先程の言葉にカチンときていた。

「殺人系統の小説ばかり書いてる人が殺人したいと思っているかと言ったら違うでしょう。そういう言い方は全ての小説家への侮辱です」

「へぇ、そう。でもごめんね?僕A以外の人には興味ないから、基本的にどうだっていい」

何なんだコイツは!!
湊は今、凛音を殴る方法を探していた。

と、そこに。

「お待たせしました!ロイヤルミルクティーです!」

Aがロイヤルミルクティーを持ってきた。やはりAは淹れるのが上手い。落ち着くために飲むとほんの少しリラックスできた。

「愛川編集長がいないけど、お話だけ進めさせてもらうね。今回は九条先生の小説をより多くの人に読んでもらうため、漫画化してもらおうと言う企画なんだ。活字ばかり読むのが苦手という方々にも漫画ならと思って企画したの!」

なるほどな、と湊は思う。漫画なら絵も楽しめる。それにその漫画はリオト先生の作品。売れること間違いなしだろう。

「そーゆー系統の小説を漫画化するのって気が進まないんだよね〜。頼んだのがAじゃなかったら即刻断ってたよ。で、描く小説は?」

凛音は先程のようにニコニコと接していた。おそらくあれは作り笑顔じゃない。Aと話せることが嬉しくて仕方ないと言う笑顔だ。そこまでとは、何だか恐ろしい。

Aは湊に目配せをして頷いた。話の流れ的に、ほしいもはプロットだろう。

「九条先生が仕上げた新作のプロットだよ」

凛音はそのプロットを見ながら笑みを深めた。

「いいよ。やる」

こうして、波乱な予感のする漫画化が始まった。

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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます! (2019年8月17日 12時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます!自由に付けてくださって大丈夫ですよ!! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね? (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……!(照)ありがとうございます!ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います!お楽しみに!!☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年4月23日 23時

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