16冊目 ページ18
あの動物園疑似デートから１週間、湊は創作意欲にかられ引きこもって小説を書きまくった。集中力は半端なく、コーヒーを持っていっても食事を持っていってもお風呂が沸いたと呼んでも反応なしだ。
とりあえず倒れられたら困るのでゼリー飲料は飲ませてみた。口に持っていくとパソコンから目を離さないまま無言で吸い始めたので、ちょっと面白いなと思ったのは秘密だ。
１週間経った今日もAは湊にコーヒーを持っていく。今日はどんな状態だろうか。
「九条先生、コーヒーを―――」
「も、無理……」
そこにはただの屍があった。否、死にそうな顔をした湊だった。特に目に生気を感じられない。
「九条先生、歩けますか？寝室に行きましょう」
湊は睡眠を取っていなかった。怒濤の勢いで書いていたのだ。一段落したら寝かせよう、とAはずっと考えていた。
湊に肩を貸し寝室まで連れていく。布団に下ろすと既に寝ていた。それほど疲れていたのだな。起きたらお疲れ様ですと声を掛けよう。
さて、こちらはやることがある。あの集中力が切れたなら一段落したと言うことだ。できたぶんだけ印刷して読ませてもらおう。誤字脱字その他諸々の修正を入れる。大事な仕事だ。
湊が今書いている御曹司×貧乏学生のBL。股ドンやら動物園デートやらは使われているのか、そこも楽しみの１つで読み進めていく。
――――2時間後
「すごい……」
赤線が入るところなんてほんの少ししかない。引き込まれる世界観に、ドキドキする展開。恋愛小説は好きでたくさん読んできたと自負しているAだが、これほどまでに自分のことのように考えた小説はないだろう。湊の小説は、いつもそうだ。
「あ……」
だが湊の小説には、いつもあるキャラクターが出てくる。ほら、この小説も。
このキャラクターは、何なんだろう。
「A」
「うわぁっ！？」
いきなりの声に驚いて振り向くと眠たそうに目を擦る湊の姿が目に映った。
「お、おはようございます九条先生。もう大丈夫なんですか？」
「ん、一応。だいたい回復した」
もう少し寝ていてほしいが、まぁ仕方ない。
「シャワー浴びてくる」
「ご飯食べますか？」
「うん」
では準備しておこう。
Aは昼食として和食を作り待機だ。食事の時に小説のことも話そう。疑問に思っていることも。
「どうだった、今回の」
シャワーを浴びてすぐにご飯にがっつく。Aの料理は三つ星並みだ。
「素晴らしかったです。ただ、１つ疑問が」
あるキャラクターの名前を聞いた湊は、サッと顔色を変えた。
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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます！ (2019年8月17日 12時) (
レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます！自由に付けてくださって大丈夫ですよ！！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね？ (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……！(照)ありがとうございます！ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います！お楽しみに！！☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年4月23日 23時
