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5冊目 ページ7

次の日。
どれだけ驚いても時間と仕事は待ってくれない。Aは九条邸に来ていた。
いきなりとは言え、新人である自分の初仕事だ。しっかりやらなければ。

昨日と同じようにインターフォンを押す。しばらくしてあのダルそうな声が聞こえた。

[あ〜やっぱり来たんだ。いいよ、あがって]

許可を得たので玄関まで行くとドアが開き、昨日と同じ応接間に通される。今日も湊は、相変わらず絵画のような綺麗さだ。

「おはようございます」

「おはよう。よく来る気になったね」

仕方ない。行かないなんて選択肢は頭に無かったし、何度も言うが自分に任された仕事のだ。やりきりたい。

「嫌だなんて思ってないですよ、驚きはしましたけど。そういうものに対しての偏見もありませんしね」

昨日専属編集者になれと言われてから一応腹は括った。編集者として、九条先生の小説を少しでも多くの人に読んでもらえるよう頑張ろう。

「さて、早速仕事を始めましょうか」

言われて湊はギョッとする。

「え、もうやるの?」

「はい。愛川編集長から言われているので」

九条先生はやり始めたら早いけど、それまでにすごく時間が掛かるから早めにプロット作成してあげて。
プロットとは、本のあらすじのようなものだ。『こういう作品を書きます。』というプロットを出版社に提出し、OKが出たら書き始める仕組みだ。
昨日、愛川から湊について細かく教えてもらったときに一番重要なことだと言われた。湊は締切を守るがギリギリでヒヤヒヤさせると。

「俺がどういったBL書いてるか分かるの?」

「はい!九条先生の本は全部買って読みました!」

湊はさらにギョッとする。読んだのか、BL。

「BLって、その……そういうシーンとかあるけど、大丈夫だった?」

「あ…3つ目の作品は、その……激しかったですね」

覚えているのか。どんな作品を書いたのか。自分だって覚えてないのに。

「覚えてますよ!俺は担当編集者ですから!」

「……ぷ、あははっ」

湊はAの行動があまりにもおかしくて笑った。普通は全て読まないだろうに。ましてやBLを。
周りが明るくなる笑顔に、Aは見蕩れる。まるで王子様のようだ。

「あんたさ、天然とか斜め上ってよく言われない?」

「え?た、たまになら」

特に上京する前、従兄弟に言われていた言葉だ。

「ふふっ、やっぱり。偏見あったりとか、面白くない奴だったら即変えてもらおうと思ってたけどあんた面白いね。気に入った」

湊はAと握手した。

「これからよろしく、編集者さん」

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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます! (2019年8月17日 12時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます!自由に付けてくださって大丈夫ですよ!! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね? (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……!(照)ありがとうございます!ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います!お楽しみに!!☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年4月23日 23時

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