夜桜様リク 遊園地デート ページ41
予想はしていた。蒼は誰もが振り返るくらいイケメンな王子様だから、こうなるかもなとは思っていた。ここまで何もなかったから大丈夫だと思っていたのに。
「えーヤバくない!?超イケメンじゃん!」
「いーじゃん、ウチらと遊ぼーよ!」
明るめの髪をした2人は蒼に腕を絡ませていた。蒼は優しい性格なので振り払えないようだ。
「すみません、大切な人が待っているので……」
だがしかし、イマドキ女子は離れてくれそうにない。いいじゃん別に〜、とベタベタ触れる子達にAはつい前に出ていった。
「蒼」
「A!」
困っている顔をした蒼がAを見る。蒼のためならいくらだって力が出るのだ。だから
「せっかく今日遊園地に2人で来れて楽しかったのに……大切な時間を邪魔しないでください!!」
イマドキ女子にだって楯突くことが出来る。だって、大切な人を守るためだから。
「行くよ、蒼」
蒼の手を握って引っ張り女子から引き剥がすと、そのままスタスタと歩いていった。残ったのは、ポカンとした顔をした女子だけだ。
Aはスタスタと歩いて別のベンチにきた。人が通る道からは少し逸れた場所。着いた瞬間Aはベンチに座り顔を覆って深い溜め息を吐いた。
「A、ごめんね。せっかく楽しい遊園地デートだったのに」
「ううん、蒼は悪くないよ。そうじゃなくてさ、蒼ならもっと誰も傷つかなくてかっこいい言い方したんだろうなって……」
絶賛自己嫌悪中だ。何か悪い噂になってないだろうか。自分は悪く言われてもいいが蒼まで悪く言われたら耐えられない。
「そうかな?断るために上っ面だけの言葉を聞くより、本心で言ってくれた方がよっぽどかっこいいと思うよ」
真剣な顔で蒼が言うので、Aの顔は赤く染まる。もう夕日のせいとかに出来ない時間だ。
そんなAに追い討ちをかけるように、蒼は赤いAにキスを送った。
「嫉妬したAも素敵だったよ。さ、行こう。まだ時間があるから」
微笑みを浮かべた蒼はAに手を伸ばす。やっぱり蒼には勝てない。かっこよすぎる。
「うん」
それに笑い返して手を取るのだから惚れてるってすごい。立ち上がっても手を離さない蒼は自身のポケットにそのまま繋いだ手をいれた。
「もう暗いからいいかなって。手、繋ぎたかったんだ」
それはAも遊園地に来たときに思っていたことだ。嬉しくてポケットの中の手を握り返した。
「蒼、大好き」
「俺もAを愛してるよ」
2人は寄り添って残りのデートを楽しんだ。
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埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1
作成日時:2019年3月5日 23時