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64歩目 ページ26

学校は連日文化祭の準備に力が入っている。
Aのクラスは喫茶店をやる予定だ。プチケーキ、プリン、紅茶、コーヒー。クラスメイトにケーキ屋の子がいるおかげか素早くまとまり、今は外装に凝っている。
蒼のクラスは自分で絵を描き缶バッジを作るらしい。外装に缶バッジを付けるということで蒼のクラス全員が絵を描いているのだが、さすが蒼だ。見せてもらったが誰よりも上手かった。

「A〜!やっぱり服はこういうのだよね!」

Aはモモと共に衣装の分担だ。アニオタなモモは衣装をずっと吟味している。

「うん。エプロンいいと思うよ」

ロゴの部分にクラスをオシャレに入れるつもりだ。こういうときのモモのセンスはすごいと思う。

「カフェっぽくしたいんだよな〜って考えるとなんか違うか練り直そ」

モモはとんでもなく迷っていた。何に悩んでいるのか。もちろん蒼が来たときAのシフトでバッタリ出会い、「似合ってますねA先輩……素敵です」「え、あ……ありがとう」というお互い顔を赤くするアクシデントを起こす確率を増やしたいからだ。衣装は大事なもの、こういう恋愛ゲームにおいては特に。

「これは!?」

腰に巻くタイプの黒いウェイター服を提示する。これは良い。蒼にとっても普段見れないAの姿を見れるはずだ。

「かっこいい!なんかこういうのって少し着てみたいよね!」

よし、ならば男子はこれでいこう。女子の方はいくらでも何とかなる。
キラキラと目を輝かせているAの姿は可愛い。スチル撮りたいほど可愛い。さすが受け。

まぁ当日、蒼が悶えるのはこの服装だけじゃない。もっと別のことでも蒼には精一杯悶えていただこう。

「じゃあ男子はYシャツにこの黒いのを付けてもらって、女子はエプロンにしようか」

「うん、いいと思う」

ぶっちゃけAは「いいね」しかしてないがモモはそれで満足らしい。
どこのキャリア・ウーマンなのかと突っ込みたいほどにテキパキと仕事をこなし、電話を掛け服の発注をしていた。すごい。
モモ的にはOL時代の癖みたいなものだが、純粋に褒められることは嬉しいので黙っておいた。

さて、もう少しで文化祭だ。
目立つので蒼と回るつもりはないAだが、恋愛ゲームにおいてそんな状態になるわけない。
もちろんイベントは起こるし、お互い惚れ直してもらう。モモにとってこれは最早腐女子としての宿命だ。

「楽しみだね〜文化祭」

先の展開を想像したモモは、ふふっと笑った。

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埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2019年3月5日 23時

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