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さて、我が校ではそろそろ文化祭がある。
この高校の文化祭では、他校からもわざわざ人が来るほど人気の催しがある。
『ベストカップルコンテスト』。校庭に台を作りその上で彼氏が彼女の好きなところを叫ぶものだ。参加は自由。飛び入りもOK。ただただ彼女への愛を叫ぶイベントだ。
「だからAと出たいんだ」
いや待て家のソファーでそんなキラキラ王子スマイルで何言ってんだ。という顔をAはしたつもりなのだが、爆弾発言をした蒼は表情を崩さない。
「ベストカップルコンテストに？僕と蒼が？……蒼、熱でもある？」
ぐるぐる考えた結果たどり着いた結論は、蒼は熱に浮かされている、だった。
だが苦笑いをされたのでどうやら違うらしい。
「だって愛を叫ぶんでしょ？Aのことなら俺、いくらでも話せるよ？」
「い、いやいやそうじゃなくてっ！！！」
仮に蒼の彼女が自分ではなく、美人でスタイルも良くて家庭的で優しい女性だとしよう。周りはこの人ならしょうがないと認めてくれるだろう。
だが自分は男で暗くて少しのことで慌てる恋愛経験ゼロの一般人だ。周りは愚か、蒼のイメージすら蔑まれてしまう。
「そんなこと気にしなくていいのに。俺はAといれれば他はどうでもいいよ」
「ッ〜〜！！！」
ほら、こうやって蒼は無意識にファンを増やしていくのだ。今は何人いるのか分からないファンクラブからの攻撃も凄まじそうだ。恐ろしい。
「と、とにかくコンテストには出ないから！」
赤い顔で睨まれてもむしろ可愛いのだが、それを言ったら嫌われてしまいそうだ。黙っておこう。
それに、蒼はAがコンテストに共に出ることを許してくれるなんて思ってない。一応の確認だ。
蒼自身もう相手がいるのに告白されるのが、はっきり言うと迷惑なのだ。今もずっとAのことしか眼中にない。
そんな中のベストカップルコンテスト。Aへの常日頃感じていた愛も叫べるし、自分には彼女がいるというのを伝えることで告白もなくなるだろう。
既に手は回してある。頑固な王子様は水面下で、ベストカップルコンテストへAと出場できるよう動いているのだ。
Aが見ていない隙に蒼はある人にメールを送る。
『やっぱり出てくれない見たいです。あとはそちらでお願いします。』
するとすぐに返信がきた。
『OK！任せてね！当日になったら計画のメール送るから頑張って！』
つくづく“Aの盾”は敵に回したくない。
そう思う蒼だった。
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埋夜冬(プロフ) - ｳｪｰｲさん» 喜んでいただけているご様子ですね！嬉しいです！ (2021年7月10日 22時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ｳｪｰｲ - (*＾▽＾*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ！！無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - （＾∇＾） (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作者ホームページ：http://uratuku/sounewawawa1
作成日時：2019年3月5日 23時
