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「いや〜さっすがA〜!頭の回転はやいね〜」

あはは!とモモはいつものように笑う。Aはそれを何だか怖く感じた。

「何で……」

モモはキョトンとして首をかしげる。

「だっけAをいじめないのが条件だったのに、麗ちゃん破るんだもん。ま、分かってたけどさ」

条件?モモはまだ何か隠しているのか。そういえば蒼にも桐島麗と付き合った理由を聞いていない。何なんだ。どうして自分の周りにいる人間は隠し事が多いんだ。とAは頭を抱えたくなった。

「それよりっ!昨日王子様と何かあった!?あったよね知ってる何したのどうなったの進展は萌える展開はいや何があったかは分かるのよその時の心境を聞きたいの私は!!」

ノンブレス且つキラキラした目で迫ってくるモモに若干引いた。だからモモは何で昨日起きたことを何となく察知してるんだよ怖すぎるわスパイかお前は!とAも脳内で叫んだ。

「え、ちょっ、何で昨日家でいろいろあったこと知って……」

「そりゃね、うん。勘だよ〜あはは〜」

絶対嘘だッ!!
問い詰めようとしたときちょうど朝礼が始まってしまった。緊急集会。話は桐島麗のこと。本日付で退学処分が決まったらしい。そのあと担任の先生に、理事長様がお呼びだから放課後に理事長室へ、というお言葉をいただき逃げ出したい衝動と激しい戦いを繰り広げた。結果逃げ出す勇気がなくて諦めた。
どうやら蒼も呼ばれているらしいので少し安心だ。

そして、あっと言う間に時は過ぎ放課後。
初めてノックし入る理事長室は荘厳な空気が漂い背筋と身が引き締まった。

「失礼しま、ってあれ?モモ?」

「どーも!」

何故……とAが疑問に思っているとコンコンとドアがノックされる。

「失礼します」

蒼はやはり王子様のようだ。理事長室に入る動きが洗礼されている。
蒼はモモがいるのに驚いたが深くは聞いてこなかった。これが大人の対応か。

「さて、君たちに聞きたいことは山ほどあるが私では緊張してしまうと思ってな。孫に手伝ってもらうことにした」

「はぁい!理事長の孫の桃華だよっ」

「え、孫!?」

モモって理事長の孫だったの!?知らなかったAはつい大声をあげた。
これには蒼も驚いて「え……」という小さな呟きが聞こえた。何と言うか、モモからそういうオーラを感じない。

「これからぜ〜んぶ話してもらうねっ」

語尾に星が付いていそうなテンションだ。
だがAは知っている。この状態のモモに隠し事は通用しない。尋問タイムだ。

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埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2019年3月5日 23時

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