旅 28 ページ30
Aside
いや、本当に死んだと思っていた。だから起きたら泣いてるルイーゼと目が合ったときは、ルイーゼも死んだのかと思った。会えたことが嬉しくて、死んでてもいっかと思ってしまったが。
別地球と生命体を斬り倒したことを伝えるとルイーゼは空を見上げた。
ル「そのうち、お父様とお母様は帰ってくるかしら」
その瞳は、少し悲しそうだった。
主「………多分な」
俺はそう返すしか出来なかった。何かもっと気の利いた言葉を掛けれたら良かったのに。
ル「ねぇA」
ルイーゼが俺を呼ぶ。前を歩いていたルイーゼが振り返ると風が吹きお互いの髪を揺らした。
ル「私ね、Aに言いたいことがあるの」
主「ああ。何だ？」
深呼吸をしたルイーゼは俺を見て微笑んだ。
ル「Aが好き。ツンツンしてるのに優しいところとか、前を向いて歩いてるところとか、皆のために何か出来るところとか、全部が好き」
……………へ？
ル「私ね、Aとなら何をしても楽しいと思うの。ここで過ごすのもいいけど、また旅をしたいわ」
嗚呼、そうか。
主「ルイーゼ、俺も同じこと考えてた。宇宙でも、殺られそうになったときも、ルイーゼのことが頭に浮かんだ。海とか山とか、一緒に行きたい。ルイーゼと、ふたりで旅をしたい」
この思いは、気持ちは、きっと
主「俺も、好きだよ。ルイーゼ」
ルイーゼの目が大きく見開かれる。何だ、伝えるだけで終わるつもりだったのかよ。
主「これからも一緒に行ってくれるか？ルイーゼ」
ル「もちろんっ！」
俺はルイーゼの方へ行き、泣いているルイーゼを抱きしめた。
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年1月25日 23時
