旅 21 ページ23
Aside
ルイーゼは驚いたように目を見開いた。それから赤くなっている頬を上げ優しく微笑む。
ル「そうね。Aなら、絶対出来るわ」
俺ってルイーゼにそんなに信頼されてたんだな。ちょっと嬉しいかも。
ル「でもどうやって行くの？ロケットなんて何年も掛かるわ」
主「ああ。＜ライフ＞を使えないかなって思ってる」
＜ライフ＞は想像した形通りに変形できる。エドワードの資料にそう書いてあったし。
ル「＜ライフ＞を？大丈夫かしら」
主「ま、確証はないけどやってみる価値はある」
印に念じればいいんだよな。息ができるように酸素と、無重力空間でも過ごせるように空間で停止出来る力。あと武器。＜ライフ＞でこれらが出来るかなぁ。
念じると、俺の周りに＜ライフ＞の幕が出来上がる。ただ上の方までくっついてない。これだけじゃ足りないってことか。
ル「私の＜ライフ＞をAに預けることは出来ないかしら？」
主「ルイーゼのを俺に？」
ル「そう。私もAの力になりたいの。やってみて！」
ルイーゼは両手を前に出した。何となく意味を察して、俺はルイーゼの両手を握り＜ライフ＞に念じる。
ルイーゼの体が淡く光だし、俺を覆う幕が埋まっていく。無事に成功したようだ。
主「よし！じゃあ行って＿＿＿＿＿＿＿」
伸びてきたルイーゼの手が俺の頬を包む。そのままコツンと額同士が合わさった。
ル「信じてるわ。だから、必ず帰ってきて」
ルイーゼの手が微かに震えている。こんなとき、俺はどうしたらルイーゼを安心させられるのだろうか。
どうすればいいか分からなかった。だから俺はルイーゼを抱きしめ頭を撫でた。
主「ああ。必ず帰ってくるよ。だから、信じて待っててくれ」
ル「ええ………っ！」
離れたルイーゼの瞳から涙が溢れた。
ル「待ってるわ。行ってらっしゃい」
主「行ってきます」
ルイーゼの涙を拭ってから、俺は＜ライフ＞に念じる。右手に剣が出現し体が浮いた。
俺が、俺達が助けるんだ。ルイーゼの家族も皆も、もう死なせない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年1月25日 23時
