旅 17 ページ19
Aside
急げ。早く、早く………!
ル「A!もう距離が!!」
主「分かってる!」
エ「あっ、前に谷が!!」
先に見えたのは谷。間が少しあって、数段下の地面が隣街だ。
いつものバイクのスピードなら越えられるが、このスピードじゃ勢いがなくて谷に落ちる。何処か他に………。
エ「A、俺に考えがある。成功するかは君次第なんだが、どうかな?」
主「何をすればいい?」
エ「絶対に止まらないこと。スピードを緩めないこと」
どういうことだ?一体を何をするつもりなのだろうか。
主「分かった」
エ「じゃあ、このまま谷に向かって全力で走らせて!」
エドワードを信じてバイクを走らせる。谷に落ちないことを願ってスピードを速める。
主「この次は!?もう谷まで………!」
エ「絶対にバイクを止めちゃ駄目だよ」
その言葉を合図とするかのようにバイクのスピードがあがっていく。それから________
エドワードがいたはずの背中を通る冷たい風。
エ「また君を谷に落としたくないんだ」
ル「エドワードっ!!」
エ「前を向いて!走り続けるんだ!」
無事に隣街に着地できた。エドワードが降りて、スピードが出たから。
主「どうしてっ!!」
エ「これが俺の償いだ。生きて、生きて、この地球を助けてくれ。大丈夫、Aには印がある」
エドワードの後ろで街が崩れていく。
エ「また会えて良かった。ありがとう」
エドワードは全てを決心したような清々しい笑顔を浮かべ、壊れていく街の方へ足を進めた。
エ「……アルベルトさん、俺は、ちゃんと償えたかな」
空を見上げたエドワードを最後に、街は跡形も無くなるよう、轟音と共に崩れていった。
ル「ッ…………!!」
ルイーゼは声を出さないように我慢しながら泣いている。俺の目からも、涙が零れた。
もう、こんな思いを繰り返したくない。
主「これ以上、街を死なせないっ!!」
早く見つけて地球を救う。改めて心に刻んだ。
涙を拭く。バイクに又がりもう一度エンジンをかけた。
行かなきゃいけないんだ。皆を助けるために、<ライフ>の源流へ。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年1月25日 23時