旅 14 ページ16
Aside
その印があるから、あの時剣が出たのだろうか。そうなるとつまり、あの剣は<ライフ>ということになる?ん?ちょっと色々分からなくなってきたぞ。
ル「均等に保つ………って、具体的に何をするんですか?」
エ「<ライフ>の吸収と放出が出来るのは分かってるんだけど………それ以外は、その…………」
エドワードはちらりと俺を見た。
主「その?」
エドワードは短くため息を吐くと呟くように言った。
エ「止めたんだ、研究を。俺から辞退した」
酷く傷付いた顔だった。
エ「俺の話はいいんだ。それよりAの印のことだよ。待ってて、今研究結果の資料を持ってくる」
エドワードが部屋を出てから少し肩の力を抜く。
ル「絶対Aとエドワードさんの間に何かあったでしょ」
主「何だよ、何かって」
ル「研究を止める程の何かよ。あの人、かなりの研究廃人だと思うけど」
ルイーゼが目を向けた先には植木鉢と顕微鏡、虫眼鏡に大量の資料があちこちにあった。確かに廃人みたいだ。
主「んなこと言ったって、俺覚えてねーし」
過去に何かあったのだろうか。記憶にないってことはそれほど重要じゃなかったのかな、俺にとって。
エ「お待たせ。やっと見つかったよ。はいこれ」
エドワードは机に資料を置いた。
何々……?俺の右手には<ライフ>の力を操れる印があると。吸収と放出で均等に保つ。さらに<ライフ>は想像した形通りに変形出来る。
なるほど。<ライフ>は案外使えるな。
エ「君は源流に行って<ライフ>を均等に保たないといけないんだ。俺が君に教えられるのはここまで」
主「いえ、充分です。ありがとうございます。貴重な研究結果を」
エ「いや、昔の罪滅ぼしだ。他に何かしてほしいことがあったら言ってくれ。出来るだけ話を聞こう」
昔の、罪滅ぼし………?
ル「過去に何か、あったのですか?」
主「俺に関係しますか?」
そう聞くとエドワードは目を見開く。
エ「君は本当に、あの時のことを覚えてないのか?」
あの時とは?
エ「俺が君を、谷に落としてしまったことだ」
__________え?
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年1月25日 23時