虹の居場所(最終章)

足らん声 ページ12

渋谷side

あかん。スバラジ乗り越えたけどあいつ気になって寝れてへん…
スマホを手に取ってヨコにかける

プルルプルル

横「すばる？なんや？」

渋「休みやろ。病院前こい」

それだけ伝えて病院の前に向かった
顔みたいねん。マルから聞いたけど、やっぱり気になるからな

横「すばる！お前なぁ！切り方が雑やねん」

渋「ん。寝れてへんねん」

横「おん…で？」

渋「あいつ見て寝る。触れて寝る」

横「いやいや、個室やけどやろ？…なぁ、どんな顔して会えばええ？」

不安そうな顔するねん。たぶん、みんなそう。他人行儀な態度で別れてもうたから…

渋「いつも通りや」

ｺﾝｺﾝ

智「はーい」

扉をあけたらあいつがおった。けど、俺らみて少し怯えるから…不安やんけ。
帰ってくるやろ？そのためにツアーもやっとんねん、俺ら。居場所おいとんねん。

智「すばるくん、祐ちん…どうぞ。」

横「お前！今、どんな組み合わせやねん思ったやろ？俺かてやな、急に…」

ヨコが少し焦ってるから…

渋「おい。ベットに横向いて座れや」

横「お前な、言い方きついぞ」

おどおどしながら場所あけるから。けど、どんな智輝も愛おしいねん。

無言で靴を脱いでベットにのる

智「うぇ？え？すばるくん？」

渋「……」

そのまま智輝の膝を枕にして、お腹に顔向けて寝転ぶ

横「……ホンマに寝るんかい…」

智「え？寝る？！え？」

そのまま無視して腰に腕を回した
そう。この匂いやねん。やっと感じれる。俺の手の中に…おらんくならんようにぎゅっと力を加える

横「はぁ…こいつスバラジで夜寝てへんみたいや」

智「……ホンマに寝るん？」

渋「A、頭撫でて」

本名いうて、お前の事を受け入れる事、伝わらんかなって。

遠慮がちに俺の頭に手が伸びてきた。

渋「ん、ええ感じや…歌ってや…」

智「…♪キラリ輝く脚光浴びて でもここまでは遠かったんだろ…」

ん。この声。ツアーで足らん声。やっぱりお前おらなあかんねん。

そのまま俺は意識を手放した…

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