スケッチブック (ページ35)

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目を閉じて耳を塞いでどれ位たっただろう。
1人のはずの家。何故か聞こえるノック

ｺﾝｺﾝｯ

明日菜「え？誰…？」

渋「明日菜」

明日菜「渋谷副会長？」

どうして？思わず被っていた布団から顔を出した

渋「笹原から聞いた。怖いんやろ？」

いつもより落ち着いたトーンで話しかけてくれる先輩

渋「こうしてる方が落ち着くやろ？」

後ろから抱きしめてくれる先輩。1人じゃ怖くて思わず頷いた

ガラガラｯ

「…」ﾋﾞｸｯ

やだな…いつまで続くんだろ…

渋「…こっち向いてみ？」

抱きしめられてる腕が頭を撫でた

「…なんですか？」

渋「…ごめんやで。」

そう言って体の向きを変えられて向かい合う

渋「…なんもせんから」

前から抱きしめられ、渋谷副会長の胸に頭をおさえつけられる

ﾄｸﾝﾄｸﾝ

「…鼓動はやいですか？」

渋「…気のせい。」

あ、さっきより雷聞こえないや…

渋「♪降り始めた雪は足跡を消して…」

「ﾌﾊｯ！なんでアナ雪？w」

急に歌い出す渋谷副会長にまさかのチョイスで思わず吹き出す

渋「ｸｸｯ…なんとなくやろ？w」

「生まれて初めて歌いましょうか？私、アナで！渋谷副会長は女王でw」

渋「ええやんけ！おもろいw」

そこからはいろんな曲を歌った…お礼言わなきゃな

「渋谷副会長？」

渋「…すばる」

「うぇ？では、すばる先輩でどうでしょうか？」

渋「敬語もなしや！」

どこの子供だってくらいふんぞり返った渋谷副会長…いや、すばる先輩

「ありがとうございます。本当に…」

渋「…もうちょいこのままでおろか？まだ鳴ってるしてるし…」

「お願いしますw」

雷の音も聞こえないくらいに抱きしめてくれる先輩。体温も暖かくて思わず…

渋「…明日菜？…寝てもうたかな？w」

「んん…先輩？」

渋「…ん？おはよ。」

「おはよw 朝だよ？」

渋「…ん。お前さ？俺にはスケッチブックやなくて、話してくれへんか？」

「…ですね。お世話になりましたし。」

渋「…ん」

「…すばる先輩？当たってるんですけど…」

前から抱きしめられてるからダイレクトに当たる先輩のやつ。

渋「…生理現象や。」

「…いいですよ？体で昨日のお礼を…」

両手で肩を離されおでこを当てる先輩

渋「そんなん求めてへん。大丈夫や！」ﾍﾟｼｯ

「あだっ！…ふふ。ありがとう…」

おでこは痛いけど、心があたたかくなった。

渋「うし！帰るわ！！」