ふっかって呼んでみ？ ページ39
Aside
深澤さんは不思議な人。照君と同期で…話してもいいかなって…
A｢時計を預かってたんです…｣
深｢うん、修理だよね？聞いたよ。｣
A｢修理が上がって返した日。…助けてくれたんです。｣
たぶん、自分なら大怪我してたと思う。それほど危なかった。
深｢…まぁ、驚かせた照も悪い気はするけど…｣
A｢ううん、やっぱり私が悪い。そんな驚くことでもない。…自分を責めすぎて…｣
深｢で、照が迎えに行ったと。｣
A｢え？なんで…｣
深｢知ってるかって？？照に聞いたよ。それで意識しちゃった？｣
無言で頷く。でも、それだけじゃなくて…
A｢…何より、返事が素っ気なくなっちゃった。会うのが怖いんです。」
思ったより緩んでいた涙腺。視界が滲む
深｢あーあ。泣くぐらいならさ、吐き出しちゃいなよ？それに…これは本人から聞くべきだな。ほら飲め飲め」
ずっと相談できなかった。だから話すと止まらなくて…深澤さんは何でも聞いてくれる。だから、今まで思ってた事、照君の事、全部話した。
A｢康二にも言えなくて…ごめん、こんな話｣
深｢だぁいじょうぶだって！ほれ、ふっかって呼んでみ？｣
止まらなかった涙も、急にそんなこと言うからびっくりして止まった。
A｢んぇ？｣
深｢んー？ほれ、とりあえず言ってみ？｣
A｢…ふっか？｣
なんか、なんかさ…
深｢なんでも話せる気になるでしょ？｣
A｢うん…｣
深｢話す人との距離感って、結構だいじなもんよ？｣
変な人…でも、凄くやさしくて、照君の友達なんだって安心する。
A｢ふっか、もうちょっと飲んでいい｣
深｢どーぞw｣
この際、相談しよう。こんな機会無いかもしれないんだし。
お酒を飲んで、自分の気持ちを少しづつ出していく。
A｢照君、私の事きらい？｣
深｢照は無駄に優しくしないよ？嫌いならはっきり態度に出すタイプ｣
A｢…だったら返信なんかしないよね？｣
深｢うん。｣
そっか、嫌われてないのか…
それだけでも心のモヤモヤは晴れていった。
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作者名：uzuuzu | 作成日時：2021年3月1日 1時
