避けてんの？ ページ37
You side
照君に抱きしめられた日から、1ヶ月たった。気まずいってのもあるけど、照君との連絡がどことなく素っ気なくて、嫌われたのかなって。勇気が出なくてジムに行けてない
A｢会いたいのにな…｣
憂鬱であれ、日々は続くもの。今日も今日とて仕事なんだよね。自分を鼓舞し、業務と向き合う。
閉店15分前と声をかけられて顔を上げる。目の前には背が高い茶髪の男性。
深｢電池交換なんですけど、まだいけますか？｣
A｢大丈夫ですよ。5分程で出来るので、お店の中でお待ちください。｣
そう伝えて、作業に取り掛かる。
ｺﾝｺﾝｯ
工具を使って裏蓋を開ける。
うん、簡単な時計。すぐ出来るわ。サッと電池交換を行いレジで声をかける。
A｢お待たせしました｣
目が合うと、私を見て微笑む。
深｢照の事、避けてんの？｣
A｢え？｣
思いがけない言葉に目を見開いた。
照君の知り合いなの…？
深｢阿部ちゃんの時計わざわざ借りてまで来たからさ、この後ちょっと相手してよ？じゃあ、後でね！｣
料金トレーに支払い分を置いて、颯爽と出ていった。
A｢待って？え、誰？え？｣
閉店までは一瞬で時間が過ぎて、渡辺さんの声が響いた。
渡｢20時でーす。｣
待って、心の準備とか…なんて思いながら閉店業務をまっとうした。
20時15分
いつもより早く店を出るため、皆に声をかけた
A｢今日先に出ますね？｣
佐｢きぃちゃんおつかれー！｣
キラキラ笑顔の佐久間さんに手を振り店を後にした。
A｢本当にいるの？？｣
本当にあの人待ってんのかな？そもそも誰なんだろ…いやでも阿部ちゃんってフロントの阿部さんだよね？探しながらも頭は絶賛混乱中なわけよ。シャッター後ろ手に左右を見る。
深｢Aちゃーん！｣
商店街は閑散としていて、街灯さえも消えゆく中で手を振る背の高い男性。
待って、かなり恥ずかしい…
A｢あの人だわ｣
恐る恐る近寄り頭を下げる。
A｢｣待たせしました。｣
深｢全然大丈夫、かぁいいね、Aちゃん｣
初めましてなのにいきなり名前呼びかよってのは置いといて
A｢あの、お名前は…｣
深｢あ、そっか！ごめんごめん！俺、深澤辰哉です。よろしくね！わら｣
なんていうかチャラいな…
本当に照君の知り合いなんだろうか…
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作者名：uzuuzu | 作成日時：2021年3月1日 1時
